【ソウル聯合ニュース】韓国に在留する外国人(在外国民を含む)の国民健康保険の財政収支が昨年も黒字になったことが15日、分かった。外国人が健康保険に「ただ乗り」しているという否定的な見方に反し、外国人加入者が負担した健康保険料が保険からの給付額より多かったことを意味する。ただ、外国人加入者を国籍別にみると、中国は赤字が続いた。
韓国の国民健康保険公団が国会保健福祉委員会所属の野党議員に提出した資料によると、健康保険に加入する外国人の2023年の保険料納付額は職場加入者と地域加入者を合わせて2兆690億ウォン(約2380億円)だった。外国人が病院・医院や薬局などの医療機関を利用し、健康保険から給付を受けた額は1兆3287億ウォンにとどまり、財政収支は7403億ウォンの黒字となった。
外国人健康保険の財政収支は19年から黒字を続け、この5年間の累積黒字は計2兆7825億ウォンとなった。
ただ、外国人加入者を国籍別にみると、加入者数の上位10カ国のうち中国だけは保険からの給付額が保険料納付額を上回り、640億ウォンの赤字となった。19年から赤字が続いている。
健康保険公団は19年7月から、韓国に6カ月以上滞在する外国人(在外国民含む)に健康保険の加入を義務付けている。今年4月からは、外国人は6カ月以上在留する場合に限り健康保険の被扶養者の資格を得られるよう基準が強化された。会社員など職場加入者が外国に暮らす家族・親族まで被扶養者にし、必要な時だけ韓国で病気の治療や手術を受けさせるといった医療保険制度の悪用を防ぐためだ。
ただ、対象が配偶者または未成年の子どもの場合と、留学、小中高生の一般研修、永住、結婚による定住などの在留資格を持つ場合は直ちに被扶養者の資格を取得できる。