総務省の圧力が強かった時期に日本の政権与党・自民党の甘利明・経済安全保障推進本部長(元幹事長)はソフトバンクグループの孫正義会長に対し「日本のインフラはアプリの開発から全て日本国内でできるようにしてほしい」と要請し、これに孫会長がその場で「私が責任を持ってやります」と答えたと日本メディアが報じていた。
日本政府が一歩引いたきっかけは今年5月以降、韓国国内で反日感情が高まったことにあるとみられる。韓国大統領室は5月「韓国企業は海外でいかなる差別的措置も不当な待遇も受けるべきではない」と発表した。「新しい資本主義」を掲げ海外企業の投資誘致に力を入れてきた岸田政権としては「日本が韓国ネイバーに対して法的根拠もなく株式売却を強要した」という事実そのものが認められないことだった。
また5月末の韓日首脳会談で尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は岸田首相に対し「日本の総務省による行政指導はネイバーに対する持ち株売却要求ではないと理解している」と述べ、これに対して岸田首相は「どこまでもセキュリティ・ガバナンスの再検討要求だ」と答えた。LINEヤフー問題が外交問題に発展すれば、岸田政権は自らの最大の業績の一つと考える韓日関係改善が水の泡になりかねないと考えたようだ。
日本のある弁護士事務所の関係者は「ソフトバンクの孫正義会長と日本の自民党右派の政治家たちはLINEヤフーの経営権は日本が所有すべきとの認識を共有している」「総務省が手を引いた以上、別の方法を考え出してくるだろう」とコメントした。
東京=成好哲(ソン・ホチョル)特派員