【ソウル聯合ニュース】北朝鮮の金正恩（キム・ジョンウン）国務委員長（朝鮮労働党総書記）の妹、金与正（キム・ヨジョン）党副部長は１４日、朝鮮中央通信を通じて発表した談話で、韓国から再び宣伝ビラが飛んできたと明らかにした。
談話によると、同日午前から相次いでビラなどが見つかったとの報告を受けたという。ビラは南北軍事境界線に近い地域だけでなく北朝鮮の中心部まで飛んできたという。
金与正氏は、北朝鮮側が繰り返し警告を発したにもかかわらず韓国脱北者団体によるビラ散布が続いていると非難したうえで「汚い行いに対する代償を払う覚悟をしなければならない」と、ごみなどをぶら下げた風船を散布しての報復を示唆した。
北朝鮮は金与正氏の談話発表に合わせ、韓国から飛んできたとみられるビラなどを燃やしている写真も公開。写真にはビラとともに風邪薬なども写っている。北朝鮮当局が韓国のビラの写真を公開するのは、５月末に韓国側のビラと北朝鮮側の「ごみ風船」による応酬が始まって以来初めて。
北朝鮮は韓国の脱北者団体のビラ散布に対抗して５月末から先月９日にかけて、ごみ風船を４回散布。韓国の団体が再びビラを飛ばすと、北朝鮮は先月２４日から連夜風船を飛ばした。韓国側が北朝鮮体制を批判するビラを散布すると、金与正氏が談話を出して威嚇した後に風船を飛ばすというパターンが繰り返されている。