「北の核に米の核で報復」、韓米が初の文書化…韓半島への核配備なく米の原潜・戦略爆撃機・ICBMで対応

「NATO式核シェアリング」との違いは

 韓米首脳は11日、NATO(北大西洋条約機構)首脳会議をきっかけに行われた韓米首脳会談で「韓半島核抑止核作戦指針(Conventional-Nuclear Integration、CNI)」を承認した。この指針について、韓国国防部(省に相当)は「米国の核兵器と韓国の在来兵器の統合策が初めて公式文書化されたもの」との点に大きな意義を見いだしている。NATO式核シェアリング(共有)との違いについて国防部関係者は12日「NATO式核シェアリングとCNIは歴史的・地理的な脅威の対象そのものが異なる」「韓半島における北核対応に最適化された概念を見いだしたものがCNIだ」と説明した。

 NATO式核シェアリングとCNIは、中心となる米軍核兵器の種類がまず異なる。NATO式核シェアリングは米戦術核兵器の欧州での地上配備を念頭に設計されている。米国はB61核爆弾などの戦術核兵器を提供し、ドイツ、イタリア、ベルギー、オランダ、トルコなど5カ国はこれを配備する施設や搭載する戦闘機を提供する。米国の核爆弾が同盟国に配備され、同盟国の戦闘機により投下されるため、NATOの多国間協議体である核計画グループ(NPG)は核爆弾の安全な管理、そして有事の投下作戦に多くのリソースを投入する。

 これに対して韓米CNIはいわゆる「核3軸」と呼ばれる米軍の戦略原子力潜水艦(SSBN)、戦略爆撃機、大陸間弾道ミサイル(ICBM)を念頭に置いた概念だ。欧州大陸よりもはるかに狭く、核兵器を配備する基地をいくつも置けない韓半島の特性上、戦術核兵器を地上に配備した場合、有事に敵がその拠点を最初に攻撃してくる可能性が高い。そのため戦略原子力潜水艦のように追跡が困難な核戦力を米軍が随時展開し、韓国軍が在来戦力でこれを補う形の作戦がより効果的との判断が根底にある。韓米二国間協議体である核協議グループ(NCG)は、これまで米国が独占してきた戦略兵器の韓半島展開に関する情報を共有し、これと韓国の在来兵器との連携に向けた協議に重点を置いている。

 ただしNATO式核シェアリングと韓米CNIのいずれも米国が第2次世界大戦以来守ってきたいわゆる「専権(Sole Authority)」の原則が適用されている。米軍の核兵器がどこにあったとしても、その使用を最終的に承認する権限は米国の大統領だけが持つという原則だ。

金真明(キム・ジンミョン)記者

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  • ▲釜山作戦基地に入港する米海軍の戦略原子力潜水艦「ケンタッキー」(SSBN737)=写真中央=。2023年7月18日撮影。/在韓米軍

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