慰安婦被害者が暮らす「ナヌムの家」 記念館への転換模索=入居者全員が施設離れる

【広州聯合ニュース】旧日本軍の慰安婦被害者が共同生活を送る韓国・ソウル近郊の施設「ナヌムの家」(京畿道広州市)の入居者全員が施設を離れたことが、12日分かった。

 施設側と広州市によると、2022年12月に入居者の一人、李玉先(イ・オクソン)さんが死去した後は3人が施設に残っていたが、今年2月に相次いで健康状態が悪化。翌月にかけて全員が療養施設に移された。今後施設に戻る可能性は薄いという。

 施設を運営する社会福祉法人「大韓仏教曹渓宗ナヌムの家」は、施設全体を「慰安婦記念歴史館」に転換する計画だ。ナヌムの家の代表理事を務める性華(ソンファ)僧侶は「生活施設の一部はそのまま残して展示室として使用し、食堂などは用途変更工事を行って施設全体を記念歴史館にすることを検討している」と述べた。

 現在、ナヌムの家は療養施設として登録されているが、記念歴史館の運営は社会福祉事業法で規定された事業に該当せず、社会福祉法人が運営することはできなくなる。性華僧侶は、国または地方自治体が運営するか、ナヌムの家と他の特殊法人が共同で運営する方式のいずれかになるだろうとして、近く曹渓宗内部で会議を行って決定すると説明した。

 また、これまでは宗教的観点からつらい経験をした慰安婦被害者を支援することに集中してきたが、今後は戦争を知らない世代に歴史の痛みと弱小国の苦痛を伝え、国の大切さを知らせる施設として生まれ変わると強調した。

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