慶尚南道居昌郡で豪雨により橋が崩落しそうに見える写真が広がり、警察が一時車を通行止めにするなどの騒ぎが起こった。しかし実際は橋に問題はなく、この写真は偽物だった。居昌郡は住民を不安に陥れたこの写真の制作者の捜査を警察に依頼した。
【Photo】ネット掲示板で出回った居昌橋の写真(左)と実際の写真
居昌郡が11日に明らかにした。それによると今月10日、数百人の会員を持つ地元のあるネット掲示板に居昌邑にある居昌橋の一部が崩落しそうに見える写真が掲載された。川は泥水であふれ、橋は橋桁が分かれすぐにでも崩落しそうだった。居昌郡には9-10日にかけて171.5ミリの大雨が降り、10日午前には居昌橋の架かる黄江周辺に洪水注意報が発令されていた。
問題の写真はSNS(交流サイト)などで一気に広がり、これを見た住民が警察に通報し、郡庁にも住民からの通報が相次いだ。現場に駆け付けた警察は午前9時ごろに居昌橋を通行止めにし、居昌郡と共に約2時間にわたり緊急の安全点検を行ったが、写真とは違って橋に亀裂などはなかった。居昌橋は午前11時に通行止めが解除された。
居昌郡が調べたところ、この写真は居昌郡議会のある議員を支持する約900人の住民が集まる団体の掲示板に最初に掲載されたという。地元のあるインターネットユーザーがこの写真を500人以上の会員を持つ別の掲示板にも掲載したため、その後SNSなどを通じて写真が一気に広がったことが分かった。写真を最初に掲載したのは70代の元公務員の男だが、騒ぎが大きくなったため男は「手が震えて写真がおかしくなった。多くの方々に迷惑を掛けて申し訳ない」とする謝罪文を掲載した。
騒ぎを受け居昌郡は最初に写真を広めたのが本当にこの男か、あるいは意図してフェイク写真を掲載したかなどを確認するため警察に捜査を依頼した。居昌郡のある関係者は「写真の影響で住民は不安になり、20人以上の職員が現場で対応に当たるなど、行政力も浪費された」「再発防止のためにも正確な真相解明を警察に依頼した」とコメントした。警察は専門家に依頼しこの写真が捏造(ねつぞう)あるいは合成されたものか確認すると同時に、男を呼んで事情を聴く予定だ。
キム・ジュンホ記者