【世宗聯合ニュース】経済協力開発機構(OECD)は11日に公表した「韓国経済報告書」で、韓国の今年の実質国内総生産(GDP)成長率を2.6%と見通し、2.2%から2.6%へと大幅に上方修正した5月の予測を据え置いた。政府と韓国開発研究院(KDI)の見通しと同じだが、韓国銀行(中央銀行、2.5%)よりはやや高い。
OECDは来年の成長率も2.2%で据え置いた。
今年の成長率改善の根拠として「半導体輸出の好調」を挙げた。報告書は「世界的に貿易量が増加し、半導体の輸出量と価格が回復している。輸出企業の心理が底をつき、経常収支も堅実な黒字に転じた」と説明した。
高金利と物価高により民間消費と投資が制約を受ける可能性に言及する一方、物価が安定し内需も近く回復すると分析。今年の民間消費増加率は1.4%、来年は2.4%と予想した。報告書は「インフレは次第に緩和され、今年末に目標に到達する」として、今年下半期から内需が回復するとの見方を示した。
今年の商品・サービス輸出は6.9%増加し、来年は2.4%に調整されると予想した。輸出は今年1.2%、来年は2.4%増加すると予想した。
OECDは、韓国経済のリスク要因として米中貿易摩擦による供給網(サプライチェーン)の混乱、対中貿易縮小などを挙げた。報告書は「中国は依然として韓国企業のバリューチェーンの中核となるパートナー」としながら、韓国の対中輸出の相当部分を半導体が占めており、貿易制限の影響を受ける可能性があると指摘。貿易依存度の高さを解消する必要があると強調した。
南北関係の悪化による軍事境界線付近での衝突の懸念など、北朝鮮も韓国経済のリスク要因だとした。