【TV朝鮮】(アンカー)
北朝鮮と中国との関係がギクシャクしているようです。外貨稼ぎのため北朝鮮から派遣されている労働者全員に中国政府が帰国を求めたことを韓国政府が把握しました。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)政権にとって重要な資金源の中国が直接締め上げにかかった形ですが、ロシアとの密着に対するけん制とも考えられます。イ・テヒョン記者がお伝えします。
【Photo】指導員の監視を受けながら寄宿舎に戻る北朝鮮の派遣労働者たち
(記者リポート)
昨年5月の中国丹東のある工業地区です。同じ服装をした数十人の女性が整列して移動し、指導員の監視を受けながら寄宿舎に戻っています。
滞在期間は通常3年ですが、コロナによる封鎖で帰国できなかった北朝鮮労働者たちです。
(中国の工業地区職員)
「(北朝鮮労働者はまだ帰国していないのですか?)はい、まだしていません」
中国はこれまで滞在期間が過ぎた場合でもさほど問題視しませんでしたが、最近になって雰囲気が変わっています。
ある韓国政府高官は「中国は派遣労働者を全員帰国させるよう北朝鮮に通知した」「北朝鮮は労働者の交代を段階的に行うよう中国に求めているが、中国は全員の帰国を強く求めている」と伝えました。
これについて中国政府は否定しています。
(林剣/中国外交部〈省に相当〉報道官)
「中国は関連するメディアが専門的な基準を守り、事実に立脚して客観的に報道し、小説のようなニュースは書かないよう求める」
一方で最近の北朝鮮とロシアの連携強化に対して中国が本格的にけん制に乗り出したとも伝えられ、派遣労働者問題が今後さらに表面化するのは時間の問題との見方もあります。
(趙漢凡〈チョ・ハンボム〉/韓国統一研究院先任研究委員)
「朝ロ新条約は事実上、中国の戦略的な利害関係をかなり侵害している。中国の反発が労働者問題に飛び火している」
北朝鮮労働者は10万人に達するとみられ、中国で年間数億ドル(数百億円)を稼いでいると試算されていますが、これが中断した場合、北朝鮮の外貨稼ぎに大きな影響が出ると予想されます。TV朝鮮、イ・テヒョンがお伝えしました。
(2024年7月9日放送 TV朝鮮『ニュース9』より)