陳恵媛検事に懲役1年6月求刑 SNSで国家公務員法・公選法・情報通信網法違反

検察「政治的中立を守るべき検事がSNSで選挙運動」

 金建希(キム・ゴンヒ)大統領夫人を「ジュリー」とあざけり、保守系与党「国民の力」所属の候補を非難した現職検事に対し、韓国検察が懲役刑および資格停止を求刑した。

【Photo】朴元淳ソウル市長(当時)と腕を組む陳恵媛検事

 韓国検察は8日、ソウル西部地裁刑事合議11部(裁判長:裵星中〈ペ・ソンジュン〉部長判事)の審理で開かれた陳恵媛(チン・ヘウォン)釜山地検副部長検事の国家公務員法・公職選挙法違反事件裁判で、被告に対し懲役1年と資格停止1年を求刑した。また、情報通信網法違反(名誉毀損〈きそん〉)の罪でも懲役6カ月を求刑した。

 陳検事は2022年9月、フェイスブックに金夫人の昔の写真をアップロードして「ジュリーのスペリングは知っているかもしれないね」という内容の文章を書き込み、金夫人の名誉を毀損した罪に問われている。「ジュリー」とは「金建希夫人がソウル・江南の風俗店でジュリーという源氏名で働き、検事らと親密な関係になった」とする疑惑に由来する呼び方だが、この疑惑が事実であるとは確認されていない。当時、陳検事はコンテンツの末尾に「売春婦(Prostitute)」を暗示するような「Prosetitute」という単語を書き添え、物議を醸していた。陳検事は、検察(Prosecutor)と組織(Institute)を合成した新造語だと主張した。

 検察はまた、陳検事が進歩(革新)系の「共に民主党」の象徴である青を何度も前向きに表現し、未来統合党(国民の力の前身)を象徴する赤は否定的に表現して、民主党支持の意志をあらわにした-ともみている。陳検事が21年4月7日のソウル・釜山市長再選挙・補欠選挙を前に、当時の国民の力所属の呉世勲(オ・セフン)候補と朴亨埈(パク・ヒョンジュン)候補を非難する書き込みをフェイスブックに載せた行為についても、国家公務員法・公職選挙法違反だと検察は判断した。

 検察は「被告人は政治的中立義務を厳格に守るべき検事の身分だが、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS=交流サイト)で選挙運動を行った」とし、被告人のフェイスブックのアカウントには1万人以上のフォロワーがおり、選挙運動に伴う影響力は相当なもので、犯行を否認して反省していない点などを考慮すると厳罰に処して公務員の地位を停止させる必要がある」と求刑理由を述べた。

 これに対し陳検事は、フェイスブックなどに意見を表明する行為は犯罪構成要件に該当しないと主張した。陳検事は「検察は民主党に対する被害妄想があるようだ」「検察は、自分たちが応援する政党に少しでも不利な気配があれば起訴し、そうでなければ起訴しない選択的行為を行っているものとみられる」と反論した。

ク・ドンワン記者

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  • ▲陳恵媛・釜山地検副部長検事。/聯合ニュース
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