【ソウル聯合ニュース】韓国の忠清道など中部地方と慶尚北道の各地で8日未明、集中豪雨による浸水被害が発生した。道路の冠水や土砂崩れなどの危険が高まり、孤立した住民が救助されたり、緊急避難したりした。
◇集中豪雨で住民孤立・避難 1人が行方不明に
南東部の慶尚北道によると、この日午前10時時点で道内の129世帯、197人が避難した。
これに先立ち、午前3時10分ごろに安東市内の河川が氾濫して近隣の住民19人が孤立。このうち8人が消防当局に救助された。
韓国水資源公社は、午後2時から栄州ダムの放流量増加により河川の水位が上昇するとして、周辺の住民に安全な場所に移動するよう呼び掛けた。
大雨警報・注意報が発令された中部・忠清北道ではこの日午前、山の斜面が崩れて1人が行方不明になったと通報があった。
消防当局が掘削機などを動員して捜索を行っているが、雨水で土砂が流れ出し、作業は難航している。
忠清南道でも土砂崩れや擁壁崩壊の恐れが高まり、住民78人が緊急避難した。
土砂崩れの警報が発令された忠清南道論山市は、この日午前7時に土砂崩れの恐れがある125カ所の住民231人に避難命令を出し、これまでに72人が近所の公民館に避難した。
大田市内では午前5時50分ごろ、道路が冠水して車が動かなくなったというトラック運転手からの通報を受け、消防当局が緊急救助に乗り出した。
同市内では、午前9時25分ごろにも水に浸かった車のエンジンが切れて降りることができないという通報があり、警察と消防当局が運転手を救助した。
◇慶尚北道英陽郡で1時間に55ミリの大雨 農耕地が浸水
気象庁によると、慶尚北道英陽郡では午前1時ごろから午前4時ごろまでの3時間に113.0ミリ、午前3時ごろから4時ごろまでの1時間に55.5ミリの大雨が降った。
安東市玉洞では午前3時半までの1時間に55.5ミリ、3時間に103.0ミリの雨が降った。
この日未明には、一帯に「大雨緊急災難(災害)メッセージ」が送信された。首都圏以外の地域でメッセ―ジが送信されたのは初めて。
慶尚北道は現在、大雨による施設や農作物の被害状況を調査している。
6日から大雨が降り続いた大田市、忠清南道、世宗市では街路樹が倒れ、浸水被害が続出した。
人的被害はなかったが、忠清南道の保寧市と洪城郡では農耕地13.3ヘクタールが水に浸かった。
前日からこの日午前9時までに大田市で18件、忠清南道で26件の被害が報告され、現在も通報が相次いでいる。
気象庁の関係者は「慶尚北道北部地域を中心に、突風・雷を伴って1時間に30~50ミリの大雨が降ると予想されるため、渓谷や河川の氾濫、土砂崩れなどの事故に注意してほしい」と述べた。