韓国軍 南北境界近くで6年ぶり陸上砲兵訓練=軍事合意停止で再開 

【ソウル聯合ニュース】韓国軍は2日午前、南北軍事境界線付近で砲兵射撃を行った。南北軍事合意が結ばれた2018年以降、境界線付近で砲兵射撃を実施するのは初めて。

 韓国軍消息筋によると、ソウル北方の京畿道と北東部・江原道にある境界線付近の射撃場で自走砲K9などの射撃を行った。京畿道でK9約90発、江原道で車輪自走砲K105A1約40発の計約140発を発射した。

 射撃場はいずれも軍事境界線から5キロ以内に位置し、南北軍事合意の締結後は射撃訓練が行われていなかった。同合意では軍事境界線の5キロ以内で砲兵射撃訓練や野外機動訓練を禁じている。だが、韓国政府は6月4日、北朝鮮が韓国に向けてごみなどをぶら下げた「汚物風船」を飛ばし、GPS妨害電波を発信したほか、弾道ミサイルの発射を続けたことを受け、同合意の効力停止を決めた。

 韓国陸軍は「南北軍事合意の効力停止により訓練が正常化してから初めての地上射撃訓練」として、「敵の挑発時の対応能力や火力対応態勢の強化に重点を置いて実施した」と明らかにした。また、今後、軍事境界線付近での砲兵射撃と機動部隊訓練を定例化する方針を示した。

 韓国軍の海兵隊は6月26日、黄海上の軍事境界線にあたる北方限界線(NLL)に近い白○(○=令に羽)島と延坪島で約7年ぶりに海上射撃訓練を再開した。海兵隊は南北軍事合意によりNLL付近の海上緩衝区域内での射撃が禁じられたことから、K9などを内陸に運んで射撃訓練を実施してきた。

 韓国軍は南北軍事合意を受けて行わなかった軍事境界線付近での大規模な合同野外機動訓練などを実施し、挑発を続けるとともにロシアとの軍事協力を強化している北朝鮮に警告のメッセージを送るとみられる。

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