熱烈支持者たちからひっきりなしにショートメール・電話…苦痛を訴える共に民主・李在明前代表、自制を求める前に自省を【7月2日付社説】

 韓国の進歩(革新)系最大野党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)前代表が、SNS(交流サイト)に「電話・ショートメールはちょっと止めて。時を構わぬショートメール・電話は応援・激励ではなく苦痛を与えるもの」「さすがに、数十年使ってきた電話番号を変えなければならないようだ」と書き込んだ。さらに「心から代表のことを思うのであればそんなことはできないはず」と記した支持者の言葉をリツイートした。「ケッタル」(李在明・前代表の熱烈支持者たち)が最近、党代表連任のため代表ポストを一時的に退いた李・前代表に向けて、大量の応援メッセージを送っていると推定される。李・前代表が苦痛を訴えるほどなので、どれほど過激かがうかがわれる。

 これまでケッタルは、李・前代表と少しでも意見が違う政治家を「スイカ」「Xパリ」と呼んでおとしめ、「文字爆弾」をばらまいていた。選挙区の行事を訪れて罵声を浴びせ、事務所前でトラックデモを行い、家まで追っていってストーキングした。昨年、李・前代表の逮捕同意案の国会票決で賛成票を投じたと思われる議員らをあぶり出そうとする作業を主導したのもケッタルだ。「反動」「反乱軍」うんぬんと称して「どんな票決をしたか明らかにせよ」と詰め寄った。標的になった議員らは4・10総選挙でほとんどが公認から脱落した。親李在明系議員に対しては限りなく寛大だった。国会の会議中に暗号資産取引をした議員には「がんばって」と言い、「現金入り封筒」疑惑の元代表には「ファイト」と叫んだ。

 今、民主党はこうしたあしき「ファンダム(熱心なファン集団)」に完全に振り回されている。少し前には、国会議員だけが参加していた国会議長候補予備選に権利党員投票を20%反映することにした。最近の予備選で、ケッタルの支持を集めていた秋美愛(チュ・ミエ)候補が脱落した後に起きたことだ。国会議長の選出においてまでケッタルの影響力を強化するのは、党員の参加を高めるものではなく議会制民主主義に対する脅威だ。民主党もこれを分かっているはずだが、ケッタル1万5000人以上が離党を申請し、秋美愛ではない別の人物に投票した議員をあぶり出そうとするや、両手を挙げて降参した。党の重鎮である鄭大哲(チョン・デチョル)憲政会長は「ケッタルは集団民主主義ではなく、集団民主主義の弊害」と述べた。

 民主党内部からはかなり前から「窒息しそうなありさま」「党内民主主義が瓦解した」という指摘が出ていたが、これまで李・前代表はケッタルを止めるふりをするだけだった。むしろ、ケッタルについて「世界史的意味がある新たな政治的動き」だとし「本当に大きな力が出る」と語った。逮捕同意案反乱票あぶり出しのときも「自制を要請する考えはないのか」という問いに対し「労働環境改善にもっと関心を持ってほしい」と的外れな回答をした。自制要請ではなく、そそのかしたのだ。そんな李代表が苦痛を訴えた。これまで他の人々がケッタルからどういう目に遭ってきたかについても、李代表は考えてみるべきだ。

<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) Chosunonline.com>
関連ニュース
関連フォト
1 / 1

left

  • ▲李在明・前代表のSNS

right

あわせて読みたい