【ソウル聯合ニュース】韓国統一部のキム・イネ副報道官は１日の定例会見で、北朝鮮の金正恩（キム・ジョンウン）国務委員長（朝鮮労働党総書記）の肖像が描かれたバッジ（肖像記章）が公の場で初めて確認されたことについて「先代（の色）を薄める一環であると同時に、指導者として独自の地位を確立しようとする動き」との認識を示した。
先月２９日に開かれた党中央委員会総会では、出席した党幹部全員が金正恩氏の肖像をあしらったバッジをつけていた。
キム報道官は「経済難や、韓流など外部の思想の流入により住民の不満が高まっており、内部の結束を強めて（正恩氏の）統治の正当性を確保しようとする面もある」との見方を示した。
また、金正恩氏の偶像化は体制発足から１０年が過ぎた２０２１年の党大会以降に本格化したとして、金日成（キム・イルソン）主席、金正日（キム・ジョンイル）総書記に加えて金正恩氏の肖像画が今年初めて公開されたこと、今年の金日成氏の誕生日（４月１５日）に「太陽節」という名称が使われなかったことに言及した。
金氏一家の偶像化の象徴である肖像記章は北朝鮮の住民から幹部まで着用しているが、金正恩氏単独の肖像記章の着用が一般住民にも広がっているかどうかははっきりしていない。党の主要行事である中央委員会総会で金正恩氏に対する忠誠心を強調するため、会期中に一時的に着用した可能性もある。
前日放送された朝鮮中央テレビのニュースに登場した北朝鮮住民は、金日成氏と金正日氏が共に描かれた肖像記章など、さまざまな形態のバッジをつけていた。