北朝鮮でサングラス着用すると反動分子扱い、韓国語「アッパ」「オッパ」も処罰対象

韓国統一部が北朝鮮人権報告書を発行

 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)体制は韓国文化の拡散を阻止するため、住民の日常生活の細かい面にまで幅広い形で取り締まりと統制を強化し、また公開処刑なども相次いでいることが分かった。これらは韓国統一部(省に相当)が649人の脱北民から聞き取りを行い、27日に公表した2024年版の「北朝鮮人権報告書」に記載されている。韓国政府次元での「北朝鮮人権報告書」は昨年に続き今回が2回目で、昨年新たに聞き取りを行った141人の脱北民の証言が追加された。

【Photo】サングラス姿の金正恩総書記と娘のジュエ氏

 北朝鮮当局が住民教育のために制作した動画には結婚式で新郎が新婦を背負うことや、新婦の白いドレス着用、ワイングラスを使った飲酒などがいずれも「反動」とされていた。北朝鮮当局はサングラスの着用も反動としているが、昨年末に北朝鮮住民が目にする労働新聞1面には、金正恩総書記と娘のジュエ氏がサングラスを着用した写真が大きく掲載されていた。また「アッパ(お父さん)」「オッパ(お兄さん)」「パリパリ(速く速く)」など主に韓国で使用される言葉も取り締まりや処罰の対象になるという。

 昨年脱北したある男性は「2022年に黄海南道で22歳男性の公開処刑を見た」「かいらい(韓国)野郎の歌70曲と映画3本を見て逮捕され、尋問で7人に手渡した事実が明らかになったため」と伝えた。金正恩体制が韓流文化阻止を目的に制定した「反動思想文化排撃法(2020)」が適用されたという。2020年に脱北した別の男性は「同僚が携帯電話で韓国ドラマを見たことが保衛部に摘発され、強制的に連れ去られた。後から処刑されたと聞いた」と説明した。

 コロナ渦中に防疫法違反を理由に公開銃殺されたケースも報告書に記載されている。2021年に脱北した男性は「男性幹部2人が『非常防疫法』違反行為で裁判なしに公開銃殺された」と伝えた。隔離施設に収容された住民に沐浴(もくよく)を許可したことが理由だった。金正恩総書記が視察中、暖房の稼働していない場所に金日成(キム・イルソン)、金正日(キム・ジョンイル)父子の写真が掛けられているのを見て「先代の首領様たちを冷房の部屋に置いた」として関係者の責任を追及したとの証言もあった。金正恩総書記関連のうわさを広めたことを理由に家族や親戚全員が追放されたケースや、体制への不満を口にし家族全員が村から消えたという証言も報告書に記載されている。

キム・ミンソ記者

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