人工知能(AI)半導体市場で主導権を握るための半導体メーカー各社の「人材戦争」もエヌビディアを中心に繰り広げられている。事実上エヌビディアが韓国をはじめ、全世界の半導体中核人材を吸収している状況だ。本紙が18日、人材採用プラットフォーム「リンクトイン」を通じて分析した結果、NVIDIAの社員のうち、サムスン電子出身は515人(リンクトイン登録者で集計)に達した。エヌビディアからサムスンへの移籍者(278人)の2倍近い数字で、サムスンでは人材流出が発生していると分析可能だ。サムスン電子の半導体事業部であるDS部門の従業員数が約7万4000人で、エヌビディア(3万人)の2.5倍の規模であることを考慮すると、両社間の人材移動はさらに偏りが顕著だ。リンクトイン登録者で推定すると、サムスン電子の半導体事業部門ではエヌビディア出身者の割合が約0.4%にすぎない半面、エヌビディアではサムスン電子出身者の割合が1.7%に達する。
ただ、サムスン電子はエヌビディア以外の半導体メーカーとの人材競争では優位に立っている。インテル、マイクロンをはじめ、台湾積体電路製造(TSMC)からも人材を引き抜いているからだ。現在、リンクトインに登録しているインテルの社員のうち、サムスン電子出身者は848人だが、サムスン電子の社員に占めるインテル出身者は1138人で上回っている。マイクロンはサムスン電子出身者が205人なのに対し、サムスン電子ではマイクロン出身者が307人と優勢だ。サムスン電子ではTSMC出身者も195人おり、TSMCに在籍するサムスン電子出身者(24人)を上回っている。
SKハイニックスは人材流出が際立っている。リンクトインに登録したエヌビディア社員のうち、SKハイニックス出身者は38人だが、エヌビディア出身のSKハイニックス社員はゼロだった。SKハイニックスはAI半導体の高帯域幅メモリー(HBM)をエヌビディアに納品している。
SKハイニックスにとっては、AI市場が拡大すればするほど、HBMなどのAI半導体技術を持つエンジニアが必要になるが、エヌビディア以外の会社に対しても人材が流出している。マイクロンに転職したSKハイニックス社員は111人いたのに対し、マイクロンからSKハイニックスに転職した社員は8人だけだった。人数こそ多くはないが、TSMCでも人材流出が見られた。現在TSMC社員の中でSKハイニックス出身者は11人だが、SKハイニックスにいるTSMC出身者が3人にすぎない。
業界関係者は「最近になって韓国の半導体企業がHBMなど高性能メモリー関連の採用を随時活発に行っている。国内の半導体修士·博士クラスの人材に対する支援も増えている」と話した。大学から輩出された半導体人材が韓国企業を経て、海外企業に流出している構図だ。
ユン・ジンホ記者