プーチン大統領が脅迫「韓国がウクライナに殺傷兵器を提供すれば大きなミスになる」

プーチン大統領が脅迫「韓国がウクライナに殺傷兵器を提供すれば大きなミスになる」

 ロシアのプーチン大統領は20日、韓国政府を念頭に「ウクライナに殺傷兵器を提供すれば、大きなミスになるだろう」「ロシアはそれ相応の措置を取る」と脅迫した。ロシアは前日に北朝鮮と冷戦時代の軍事同盟関係を復元する条約を締結し、韓半島における安全保障面での懸念を高めたが、これに韓国が対抗策をちらつかせると、ロシアは直ちに警告してきたのだ。

【写真】韓国がウクライナへの支援を検討している中距離地対空迎撃ミサイル「天弓Ⅱ」

 プーチン大統領は20日、北朝鮮とベトナム歴訪を締めくくる記者会見をベトナムのハノイで行ったが、その際にロシアのメディアから「韓国政府によるウクライナへの殺傷兵器支援の検討」に関する質問を受けた。これにプーチン大統領は「ロシアと北朝鮮間の軍事支援はどちらかが侵略を受けた時にのみ発動する」「私が知るところでは、韓国は北朝鮮を侵略する計画はないので、ロシアの協力を恐れる必要はない」と主張した。プーチン大統領はさらに「もし韓国がウクライナに殺傷兵器を支援した場合、これは非常に大きなミスになるだろう」「そんなことが起これば、ロシアも適切な決定を下すしかない」と警告し、その具体例として「北朝鮮への超精密兵器支援も排除しない」と述べた。

 北朝鮮とロシアは今月10日に「包括的戦略パートナーシップ条約」を締結した。これにはどちらかが武力攻撃を受けた場合に「遅滞なく軍事支援を行う」との内容も含まれている。有事の自動軍事介入を明記した事実上の軍事同盟条約で、米国と旧ソ連を中心とする冷戦が激しかった1961年に締結された「朝ソ友好協力および相互援助条約」をそのまま継承している。この条約は韓国とロシアが修交6周年を迎えた1996年に破棄された。プーチン大統領も上記の会見で「今回の条約は(1961年の)従来の条約と同じ内容で、これに新たに加えられた内容はない」と説明した。

 プーチン大統領の会見後、韓国外交部(省に相当)の金烘均(キム・ホンギュン)第1次官はソウル駐在のロシアのジノビエフ大使を呼び「朝ロの軍事協力は国連安保理決議違反であり、韓ロ関係にも悪影響を及ぼす」として抗議した。金次官は「韓国は自国の安全保障にとって脅威となるいかなる行為に対しても国際社会と共に断固たる対応を取る」とも述べ、ロシアに責任ある行動を求めた。前日には韓国外交部の趙兌烈(チョ・テヨル)長官と米国のブリンケン国務長官が電話で会談し、朝ロ軍事協力を非難した上で対応策について意見交換した。

パリ=鄭喆煥(チョン・チョルファン)特派員

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