韓国疾病管理庁「新たな変種インフルエンザが発生したら300日以内に韓国の人口の41.8%が感染」【独自】

シンポジウムで対応シナリオ発表「100日以内にワクチン生産システム構築」

 韓国疾病管理庁は20日、「新たな『変種インフルエンザ』が出た場合、300日以内に韓国の人口の41.8%が感染し、重症患者数は28万8000人に達する」と発表した。これに対応し、ウイルスの感染拡大を初期に防ぐため、発生初期100日以内にワクチンを生産し、60日以内にワクチン接種を終えるためのシステムを構築するとしている。

 同庁はこの日、「インフルエンザ大流行への備え・対応計画シンポジウム」を開催し、「新・変種インフルエンザ大流行のシナリオおよび対応の方向性」を発表した。インフルエンザウイルスは毎年、シーズンを重ねるたびに遺伝子の一部が変わる。ところが、互いに異なるウイルス遺伝子が出合い、これまでになかった新たなウイルスが登場すれば、「変種インフルエンザ」につながる。新型コロナウイルスもそのようにして発生した。

 同庁はこの日のシンポジウムで「渡り鳥を媒介して感染する鳥インフルエンザウイルスで、最近は哺乳類のネコ・ブタ・ウシなど他の種へと感染対象が拡大している」と述べた。また最近、米国では農業従事者3人が鳥インフルエンザウイルスを持つウシから感染する事例が初めて報告されたという。これが「ヒトからヒトへの感染」につながれば、パンデミック(世界的大流行)になる可能性もあるとの説明だ。同庁の関係者は「次のパンデミックがいつ来るかは予測が難しいが、動物ではなくヒトまで鳥インフルエンザウイルスに感染して死亡する事例は、変種インフルエンザが発生する可能性があるという『危険信号』だ」と語った。

 同庁は「韓国にないメッセンジャーリボ核酸(mRNA)ワクチン開発システムを2027年までに構築し、新たに流行するウイルスに適したワクチンを100日以内に生産できるように備える」と発表した。新型コロナウイルス感染症の流行時、韓国の防疫当局はワクチン開発を支援し、ワクチンの効能を審査・承認するなどのノウハウがほとんどなかったため、米防疫当局の決定を後追いすることにきゅうきゅうとし、ワクチン導入や接種時期も遅れた。同庁はこれを機に、周期的に繰り返される変種ウイルス発生を識別し、ワクチンを早期に承認できるシステムを整備するということだ。

オ・ユジン記者

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  • ▲20日午後、ソウル市中区のホテル「コートヤード・バイ・マリオット・ソウル南大門」でインフルエンザの大流行に備えた対応シンポジウムが開催された。写真はあいさつする韓国疾病管理庁の池栄美(チ・ヨンミ)庁長。写真=韓国疾病管理庁

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