中国で、火鍋の人気食材とされるガチョウとカモの内臓が非衛生的な状態で加工される様子が公開された。作業者たちは床に置かれた内臓を足で踏み、排尿した排水口に落ちた内蔵を拾って使うなど、衛生面に全く気を使っていない様子だった。また、新鮮に見えるよう内蔵を一度血液に漬けてから取り出す様子も動画に映っていた。
中国メディア「新京報」が17日(現地時間)に公開した動画を見ると、作業者らはゴム長靴を履いて内臓(腸)を踏みながら汚物を除去している。また、新鮮に見えるように、灰白色だった内臓を血液に漬け込み、ピンク色に染めている。床の至る所に内臓が散らばり、内臓を保管する容器は洗浄されていないのか汚れがびっしり付着している。作業所の壁にも汚れがついており、不衛生に見える。作業者の中には手作業の途中でたばこを吸う人もいた。
動画は今年4月、中国の山東省浜州市と河南省清豊県にある肉類食品加工工場で撮影されたものだ。これらの工場で加工された内臓は、火鍋の材料として販売されていた。一部の材料は「洗浄不要」と表示された状態で複数の地域に販売された。また、加工日を表示せずに納品していた。
工場側はまた、作業者を雇用する際に保険証などの確認も一切していないことが分かった。同メディアは「潜入取材をした時、カモの内臓加工工場に入るのに身体検査もなかった」として「一部の職員は、カモの内臓を洗いながらたばこを吸っていたし、たばこの吸い殻を内臓の入った容器に投げ込む様子も見られた」と伝えた。
山東省浜州市の工場は、2008年から稼働しているが、現在は一日に約14万匹のカモを処理していることが分かった。この工場は公式サイトで「厳格な基準と手続きに則って食肉加工処理をしている」とPRしている。公式サイトの説明とは裏腹に、工場の作業者は排水口に排尿し、そこに落ちた内臓を拾って使っていた。
このほか、未成年者の違法雇用も発覚した。作業者の中には10歳や15歳の青少年が含まれていた。学校をやめて工場で働いている青少年がいることも分かった。中国は現在、未成年者の身体的・精神的健康を守るために、いかなる職種でも16歳未満の未成年者を雇用してはならないことになっている。
動画が公開されて「不衛生だ」と物議を醸すと、中国の衛生当局は問題の工場に対し、生産停止を命じた。今後は合同調査チームが工場の関係者らを順次呼んで調査を続ける予定だ。
パク・ソンミン記者