ベルリン・少女像が撤去の危機に 区「設置許可の延長不可」

【ベルリン聯合ニュース】ドイツの首都ベルリン市内にある旧日本軍の慰安婦被害者を象徴する「平和の少女像」が、設置から約4年で撤去の危機にひんしている。少女像がある同市ミッテ区の区役所は18日(現地時間)、聯合ニュースの取材に対し、像の碑文の修正を巡る協議が不調に終わり設置許可を延長できないとの立場を示した。

 少女像の碑文には、第2次世界大戦当時に日本軍がアジア太平洋全域で女性を「性奴隷」として強制連行し、このような戦争犯罪の再発を防ぐためにキャンペーンを繰り広げる生存者たちの勇気に敬意を表するとの内容が含まれる。慰安婦被害者を支援する韓国市民団体「日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯(正義連)」が寄贈したとも記されている。

 ミッテ区役所は、少女像が設置された2020年9月にもこのような碑文の内容を事前に通知しなかったことを問題視して撤去を命じた。しかし、少女像を設置した現地の韓国系市民団体「コリア協議会」が裁判所に効力停止の仮処分を申し立てたことを受けて撤去命令を保留。少女像設置の特別許可を22年9月28日まで延長し、その後は法的根拠なしに裁量により容認しているとの立場だ。

 区役所は、24年9月に容認期間が満了すればコリア協議会に撤去要請を行うとしたが、同団体は区役所から協議を要請されたことはないとして、「文句の修正をはじめ、すぐにでも協議する準備ができている」と述べた。

 ベルリンの少女像を巡っては、先月東京を訪れたウェグナー市長が「一方的な表現があってはならない」として撤去を示唆。市民団体は区役所に対し、市が干渉すべきではないと反発していた。

 ミッテ区議会は20日、区役所に対し少女像の永久設置を保障し、そのためにベルリン市当局と対話に乗り出すよう促す内容の決議案について議論する。区議会は以前にも同様の決議案を複数回採択したが、法的拘束力はない。

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