【ソウル聯合ニュース】韓国軍当局は18日、南北軍事境界線を挟む非武装地帯(DMZ)で作業中だった多数の北朝鮮軍兵士が地雷の爆発でけがをしたり死亡したりする事故が発生していると明らかにした。
韓国軍合同参謀本部の関係者は記者会見で、北朝鮮軍は不毛の地の造成や地雷の埋設中、複数の地雷爆発事故で多数の死傷者が発生しているにもかかわらず、「無理に(DMZで)作業を行っているとみられる」と述べた。
北朝鮮は昨年11月23日に南北軍事合意の破棄を宣言した後、同合意を受けて撤去した監視所(GP)の復元を今年1月ごろに完了。南北をつなぐ3本の道路に地雷を埋め、最近は鉄道のレールを撤去している。4月からはDMZ付近など複数の場所に多数の兵力を投入し、警戒能力を高めるための不毛の地の造成や地雷埋設、道路の補強、対戦車防壁とみられる構造物の設置などを行っているという。
北朝鮮軍はDMZ内の約10カ所で1カ所あたり数十人から数百人を動員し、さまざまな作業を進めている。北朝鮮軍が一日に最大数千人を動員し、DMZ内で作業を行うのは異例だ。
韓国軍当局は北朝鮮軍が設置している構造物について、国境線の役割を果たす障壁ではなく、対戦車防壁と判断している。構造物はDMZの北側4カ所に4~5メートルの高さで建てられている。防壁の幅は数十メートルから数百メートルに達する。
合同参謀本部関係者は最近の北朝鮮軍の動向について、「兵士と住民の亡命防止など内部統制力を強化するための措置とも思える」として、「過去に亡命者が見つかった地域に地雷を埋設し、監視しやすくするため不毛の地をつくるなどの作業を行っている」と述べた。同本部は北朝鮮が今後、DMZ内での作業地域を拡大していくとの見通しを示した。同本部関係者は「戦線地域一帯で偶発的な状況が発生することに備え、北の軍の活動を追跡しており、国連軍司令部とも緊密に協力している」と述べた。