本作に対する海外の視線は、はるかに軽い。ネットフリックスでの配信開始後、「ゴジラシリーズ最高作の一つ」「夏に選ばれるブロックバスター」など好評の記事が主流をなしている。ニューヨーク・タイムズは「トラウマに陥った日本が、原子爆弾による肉体的・精神的破壊を少しずつ再建し、克服する努力を描いている」、英日刊紙ガーディアンは「戦後の生存者の罪悪感を取り上げている」と評した。映画を作った山崎貴監督は、右翼作家の小説を映画化した『永遠の0』(2013)で、「特攻隊美化」という今回と似たような批判を浴びたことがある。『寄生獣』シリーズ、『STAND BY ME ドラえもん』シリーズ、『friends:もののけ島のナキ』など、韓国でも知られている作品を手掛けた監督でもある。
日本が、戦後を舞台とするあらゆる映画を「反省文」を書くかのように作ることはできないのと同じく、韓国の観客が、映画を歴史と結び付けて考えながら見てしまうこともまた、どうにもならない。こうした論争を除外して見るならば、躍動的かつリアルな視覚効果については好評が出るのも納得だ。ゴジラの体にある目立つ突起、海を泳ぐときのどっしりした身のこなし、にもかかわらず前足が短くておなかがでっぷりしたかわいらしい体つき。西洋のキングコングに匹敵するほどの人気を引きつけてきた70歳になるゴジラが、生き生きと描かれている。
キム・ミンジョン記者