「1年でもしんどいのに20年も寝かせておくのは…」 韓国の個人向け国債、販売不振の理由とは

 中途売却が難しいというデメリットをカバーするほどリターンが少ないことも問題だ。高麗大経済学科の申寬浩(シン・グァンホ)教授は「10年という期間も長いが、中途売却を制約している割に加算金利があまりにも少ないように思う。それだけの長期投資をするならば、もっと安定的な投資機会も多い」と話した。投資家も「1年積み立てておくことも難しいのに、10年間も資金を寝かせておくのか」「米国S&P指数連動型上場投資信託(ETF)に入れておくだけで2倍以上になる。物価上昇率は考慮しないのか」などといった反応を見せた。

■庶民が投資するには魅力なし

 韓国政府が国債を購入する投資家のターゲットを誤って設定したという指摘も出ている。国債は通常、経済的余裕のある高所得層のための投資商品だ。余裕資金を投資し、安定的に増やすことが狙いとなる。

 しかし、韓国政府は個人投資向け国債を庶民の老後保障のための商品として企画した。購入を最大で年間1億ウォンに制限したのもそのためだ。ソウル大経済学科のアン・ドンヒョン教授は「富裕層のための商品として企画したならば、購入限度を高めるべきで、庶民のための商品として企画したならば、中途売却が自由でなければならない。庶民にとって分離課税がなぜ重要なのか。富裕層にとってはそこに1億ウォンを入れたところでどうするか」と指摘した。

 韓国政府は定年まであと10年ほどとなった人が老後のために資金を確保したり、20~30代で結婚した人が子どもの大学授業料や結婚資金を用意する上で役立つと説明している。40歳から20年間毎月50万ウォンずつ購入すれば、60歳からは20年間毎月約100万ウォンずつ受け取れるからだ。しかし、ある投資家は「最近は20~30代で結婚する人も少なく、そのうち子どもの結婚資金まで考える人などどれだけいるのか。国民年金も不安なのに、そこ国債に資金を寝かせておくことはできない」と話した。

イ・ヘウン記者

【グラフィック】個人投資向け韓国国債の約定状況

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