197年ぶりに日本から韓国に戻ってきた申潤福の絵画が行方不明に

1811年に描かれた「故事人物図」、2008年に日本のコレクターから購入
所蔵元から最近「絵が無くなった」と通報

197年ぶりに日本から韓国に戻ってきた申潤福の絵画が行方不明に

 朝鮮王朝時代の代表的な風俗画家である蕙園・申潤福(シン・ユンボク)=1758-1814?=の絵画「故事人物図」(写真)が消えてしまったことが判明した。この絵は197年ぶりに日本から戻ってきた文化遺産だ。

【Photo】2008年に日本のコレクターから購入した「故事人物図」

 この絵を所蔵していた社団法人厚岩未来研究所が今月10日、「絵が無くなった」とソウル・鍾路区庁に通報したという。17日に国家遺産庁が明らかにした。国家遺産庁は、この事実をホームページの「盗難国家遺産情報」に載せた。厚岩未来研究所は暦術家・予言家としてよく知られた車吉辰(チャ・ギルジン)代表=1947-2019=が設立した団体で、現在は車代表の妻、キム・ジョンオク氏が2代目の代表を務めている。

 研究所側は、絵は2019-20年ごろ盗難に遭ったものとみている。研究所関係者は、本紙の電話取材に対し「車代表の存命中に所蔵遺産を寄贈するなどほとんど整理したが、オフィスに保管していた遺品のうち申潤福の絵画が無くなっていることが分かった」と語った。国家遺産庁は主な取引市場などを確認し、絵画の行方を追っている。

 「故事人物図」は1811年、最後の朝鮮通信使派遣時に日本へ持っていったと推定される作品だ。蜀漢の諸葛亮が南蛮王孟獲を7度捕らえて放してやったという『三国志演義』の「七縦七擒(しちしょうしちきん)」の故事を題材にした絵で、右側の上段に「朝鮮国の蕙園が描いた(朝鮮国蕙園写)」という一文がある。

 国家遺産庁は、この絵について「申潤福が1811年に描いた絵で、2008年に個人が日本のコレクターから購入して197年ぶりに韓国に戻ってきた」と説明した。15年に国立古宮博物館で開かれた「絵で見る朝鮮通信使」特別展で展示されたことがある。

兪碩在(ユ・ソクチェ)記者

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