2カ月連続「内需拡大の兆し」 物価上昇鈍化=韓国政府報告書

【世宗聯合ニュース】韓国企画財政部は14日公表した経済動向報告書(グリーンブック)で、最近の韓国経済について「物価上昇の勢いが鈍化する中、製造業と輸出の好調や訪韓観光客の増加、サービス業の改善など内需回復の兆しが勢いを増している」とし、「景気回復の流れが次第に拡大している」との認識を示した。

 政府は先月に続き、2カ月連続で内需回復の兆しに言及した。これまでは輸出の回復傾向に内需が追い付かないなど「経済部門によって回復速度に差がある」としていたが、内需も次第に回復していると判断した。

 国内総生産(GDP)速報値によると、1~3月期の民間消費は前期比0.7%、前年同期比1.0%それぞれ増加した。

 4月は小売販売が耐久財を中心に前月比1.2%減少したが、サービス業の生産は卸・小売業(1.7%)などで増え、0.3%増加した。

 政府は5月の消費について、クレジットカード決済額や訪韓観光客の増加、ネット通販売上額、高速道路通行量の増加などがプラス要因として作用するとの見通しを示した。一方、消費者心理指数の下落、国産乗用車の国内販売台数減少、小規模事業者の体感景気指数の下落などをマイナス要因に挙げた。 

 製造業と輸出の好調が続き、輸出は昨年10月から先月まで8カ月連続で増加傾向を示している。

 4月の鉱工業生産は鉱業と電気・ガス業で減ったが、製造業では増え、前月比2.2%増加した。

 政府は今月、物価上昇のペースが鈍化していると判断した。先月は「屈曲した流れの中で多少鈍化している」と表現したが、今月は物価の安定傾向に対し肯定的な見方を示した。

 先月の消費者物価は前年同月比2.7%上昇し、2カ月連続で2%台の上昇率にとどまった。上昇幅は前月(2.9%)に比べ縮小した。

 果物など一部品目の高止まりが続き、石油類の価格上昇幅が拡大したが、変動の大きい農産物と石油類を除いたコア物価は2.2%の上昇だった。

 政府は最近の世界経済について、地域によって回復のペースに差があり、ロシアのウクライナ侵攻や中東情勢の悪化など地政学的リスクと主要国間の貿易規制強化など不確実性が続いていると説明した。

 企画財政部は「物価安定基調の速やかな定着、内需拡大など、体感できる回復を通じた国民生活の安定を最優先にする」と説明した。

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