韓国の海外養子縁組は恥部ではなく資産だ【朝鮮日報コラム】

隠されてきた海外養子縁組の内部、養子に送られた数百人が帰国
「政府の児童売買」の扇動の殻を破るには、歓迎ととともに対策を打ち出すべき

 活動家たちはこれを巡り「乳児売買」「人身拉致」と呼ぶ。「故・李承晩(イ・スンマン)大統領が『父の国へ』というスローガンを掲げて混血児を海外に送ったのは何を隠そう民族浄化だった」「韓国政府は1人当たり3000-3万ドル(約47万-470万円)で子どもを売り渡した」

 同意したくない。「頭の黒い動物は収穫しない」として韓国国内への養子縁組は受け入れない国だった。「米国では乞食もハンバーガーを食べる」「英語だけでもうまくしゃべれるように養子縁組は海外がいい」といった冗談まで飛び交う国だった。「海外養子縁組の幻想」は社会的地位の高低にかかわらず、全ての人に起こり得た国だった。

 過去に対する診断は異なるが、解決策は似ているかもしれない。移民は意志だったが、養子縁組はそうではなかった。それでも養子で海外に出た子どもが韓国に戻ってくれば「在外同胞ビザ(F4)」が発給される。韓国では家計がどんなに苦しくても政府や地方自治体の「支援金」を受け取ることができない。青年住宅や文化バウチャーなどといったものは夢のまた夢だ。「国民」ではないからだ。学歴が低かったり、韓国語を話せなかったりする人が多く、合法的な就職は難しい。こうした人々が数百人、現在韓国に住んでいる。

 もちろん「国籍取得」の過程を踏むこともできる。しかし、欧州や米国出身の養子が「最後の保険」とも言うべき養子先の国の国籍を放棄するということが条件となる。養子に出された子どもが韓国に戻ってくる場合は、特別な「ルート」を開くべきだ。脱北者や高麗人(中国同胞)の子孫に比べて「養子」が冷遇される理由は何もない。彼らを「養子縁組システムの被害者」として残してはならないのだ。

 シモナがこう反論した。「私は被害者(victim)ではない。過去を批判しようというのではない。より良い未来のために現在を修正することができるという話だ。養子はその国の言語に堪能で、人的、社会的ネットワークを持っている。韓国がわれわれを市民として認め、就職支援を行い、活用しないのはおかしい。韓国は超少子化国家であることを非常に懸念しているではないか。なぜ、われわれのことが見えないのか」。彼女から学ばされることは多かった。

朴垠柱(パク・ウンジュ)記者

【表】韓国で出生届なしに赤ちゃんポストに託された乳幼児数の推移

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