韓国検察が、下着大手サンバンウル・グループの違法対北送金事件に関連して、進歩(革新)系最大野党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)代表を第三者収賄などの罪で起訴した。李華泳(イ・ファヨン)元京畿道平和副知事がこの事件に関連して一審の裁判で重い刑を受けてから、わずか5日での起訴だ。これで李代表は合計7事件、11の罪で裁判を受けることになった。民主党は強く反発し、検察・裁判所圧迫、対与党攻撃用の立法を量産している。
水原地検刑事6部(徐賢旭〈ソ・ヒョンウク〉部長検事)は12日、李代表に対し第三者収賄と外国為替取引法違反、南北交流協力法違反の計三つの罪を適用して起訴した。また、李・元副知事にも第三者収賄、キム・ソンテ元サンバンウル・グループ会長には贈賄の罪をそれぞれ適用して追加起訴した。
検察は、李代表が京畿道知事を務めていた2019年に、京畿道が北朝鮮側に提供すべきことになっていたスマートファーム事業費500万ドル(現在のレートで約7億8000万円、以下同じ)および李知事自身の訪朝費用300万ドル(約4億7000万円)の計800万ドル(約12億5000万円)を、サンバンウル・グループの対北事業を支援する代価としてキム元会長に代わりに提供させたと判断した。李代表はこれについて「検察の創作レベルがますます落ちている」とし「どれほどでたらめかは国民がちょっと調べてみただけでも簡単に分かる」と語った。
民主党は検察・裁判所に圧力を加える「防弾」立法、財政に負担を与えるポピュリズム立法、対与党攻撃用立法を山ほど発議している。数的な優勢を基に国会で実力行使に乗り出したい、というわけだ。サンバンウル対北送金事件を捜査した検事に対する特別検察官による捜査と弾劾訴追はもちろん、「判検事法歪曲(わいきょく)罪」「検事忌避制」導入も検討している。「スピード感のある立法独走」のため法案処理期間を大幅に短縮したり政府の施行令について国会が事前に目を通すことができるようにしたりする内容の国会法改正案も発議した。
保守系与党「国民の力」が開会交渉をボイコットしている中、李在明代表はこの日、「慣例、合意は皆いいものだが、駄目なら法律の通りにすべき」と語った。与党が反発し続けるのなら、一両日中にも18の常任委員長ポストを民主党が全て持っていく形で国会を「強制稼働」させる、というわけだ。
金慶和(キム・ギョンファ)記者、水原=キム・スオン記者