天安門事件から35年 中国が犠牲者追悼行事を禁止、城楼を閉鎖しゲームIDの変更も禁止

 天安門事件から35年を迎えた4日、中国政府は緊急事態の発生を防ぐためさまざまな対応に乗り出している。これはインターネット上でも同様だ。

 まず天安門広場への市民の接近を厳しく禁じた。広場に続く地下鉄の駅出入り口は今月2日から臨時閉鎖され、6日から利用が再開される。天安門城楼には「6月4日は終日入場禁止」との案内が設置された。予約制となっている天安門広場の入場も制限されているようだ。デモや追悼行事を阻止するため北京市内中心部の歩道橋や通りには警察官や軍服を着た民兵らが警戒に当たった。

 インターネットでも厳しい監視が行われている。中国の大手SNS(交流サイト)の微博(Weibo)、微信(Wechat)、小紅書(RED)やオンラインゲームなどでは政治的メッセージを匂わせないためプロフィルのイメージやIDの変更が禁止された。中国のサイトでは「6月4日」を意味する「六四」はもちろん、「5月35日」「It’s my duty(私の義務)」など天安門事件を間接的に示す言葉や文言の掲載、検索も禁止されている。中国国営メディアは「中国の宇宙ロケットが世界で初めて月の裏側のサンプル採取」などのニュースを大きく報じるなど、関心を別に向けさせようとしている。

 これまで中国で唯一天安門事件の犠牲者を堂々と追悼してきた香港でも同様で、この日は団体による追悼行事は開催されなかった。1990年から2019年まで毎年香港のビクトリア公園では市民がろうそくを手に犠牲者を追悼してきたが、2020年に香港政府がコロナ対策を口実に追悼行事の開催を認めず、その後行事は開催されていない。これまで追悼行事が行われた会場で今年はアメリカン・フットボールのイベントが開催された。

 これに対して台湾・台北の中正記念堂では同日、天安門事件の追悼行事が芸術家団体などの主催で開催された。テーマは「怖がらないで民主主義を追求、銃弾は理想を突き破れない」だった。賴清徳総統もフェイスブックで「天安門の記憶が歴史の激浪の中に消え去ることがないよう努力する」との考えを示した。台湾で中国関連の業務を担当する大陸委員会は3日「中国共産党は6・4事件の歴史的事実に勇敢に直面せよ」「両岸(台湾と中国)関係の本質は制度と生活方式の競争だ」と表明した。ニューヨーク、ロンドン、東京など世界各地でも天安門事件35周年の追悼行事が開催された。

北京=李伐飡(イ・ボルチャン)特派員

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