韓国軍 境界地域での砲射撃訓練など再開へ=軍事合意停止で

【ソウル聯合ニュース】韓国軍当局は、政府が南北軍事合意の効力を全面停止したことを受け、陸上・海上・空中の緩衝区域(敵対行為禁止区域)での砲射撃などの軍事訓練を再開する。軍消息筋が4日、伝えた。

 政府は同日、北朝鮮と緊張緩和のため2018年に結んだ南北軍事合意の効力を停止し、敵対行為禁止区域での訓練再開に関する制約を解いた。

 昨年11月には北朝鮮の軍事偵察衛星打ち上げに対抗して一部条項の効力を停止したが、今回は全ての条項について効力を停止した。

 文在寅(ムン・ジェイン)前政権時代に結ばれた南北軍事合意は、「双方は18年11月1日から軍事境界線(MDL)一帯で相手を狙った各種軍事演習を中止する」と明示した。

 地上では、MDLから5キロ以内での砲兵射撃訓練と連隊級以上の野外機動訓練を全面的に中止した。 

 海上では、黄海南側の徳積島の北から北朝鮮側の草島の南までの水域と、朝鮮半島東の東海南側にある束草市の北から北朝鮮側の通川郡の南までの水域で砲射撃と海上機動訓練を中止し、海岸砲と艦砲の砲口・砲身にカバーを設置して砲門を閉鎖した。

 空中では軍事境界線の東・西部地域の上空に設定された飛行禁止区域内での固定翼機の空対地誘導兵器による射撃など、実弾射撃を伴う戦術訓練を禁止した。

 これらの地域で中止していた軍事演習が再開されれば、南北境界線の陸・海・空の領域でも軍事演習が一斉に再開されることになる。

 MDLから5キロ以内の訓練場では、砲射撃や連隊級の機動訓練と西北島しょ海兵部隊の自走砲K9による射撃も再開される見通しだ。海上の南北軍事境界線にあたる北方限界線(NLL)付近での海軍艦艇による機動・砲射撃訓練も可能だ。

 韓国軍は今年初め、北朝鮮が敵対行為禁止区域内で砲射撃などを行ったことに対抗し、同区域で砲射撃や機動訓練を行うと発表した。

 しかし、今年1月に北朝鮮が黄海のNLL付近で行った砲射撃に対抗して行われた海兵隊の砲射撃訓練を除き、本格的な訓練再開は控えていた。

 軍の関係者は「海兵隊の西北島しょK9射撃訓練は、早ければ今月中にも可能だ」と説明した。

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