「A級戦犯の罪を問うべき」と主張した日本の皇族を知っていますか

 靖国神社にA級戦犯を合祀(ごうし)したことについて、残念な思いをあらわにした久邇さんは「日本人の自己主張の軟弱であること、周りを見て結局は適当にごまかしてしまう特性、国民全体の群集心理、言論の扇動、軽挙妄動する癖など、日本の気質文化について厳しく反省すべき」とし、戦争に反対できなかった国民に対しても厳しく指摘している。

 「植民支配でアジアの人々を苦しめた点を自覚し、それについて相当な措置を取るべきだろう」という言葉も忘れない。「被害をもたらした事実については謙虚に受け入れ、常識に合う賠償をして発展的な相互関係を構築することをなぜ(韓日関係の)初期段階でやらなかったのだろうか?」と問う。ただし、昭和天皇を「ついに内閣の最終決定に反対しなかったが、戦争を避けようと努力した平和主義者」だったと、多少擁護するような一面を見せるところは、皇族出身の限界を感じさせる。

 韓国版を編集した李東建会長は、母体企業の釜山紡織を、生活家電企業の「クチェン」に続いて水処理先導企業のプバン・テクロスに育て上げた実業家だ。社会福祉共同募金会の会長も務めた李会長は「物を売る商売人の生涯と他人を助ける社会奉仕者の生涯を、共に歩んできた」と語った。「こうした時節に、6・25を経験しました。安康の戦いの砲声が生々しく聞こえていた慶州・良洞村で育ち、『戦争は決して起きてはならない』という共感があります」。平素から歴史に大いに関心を持っていた李会長のオフィスの本棚には、劇作家の辛奉承(シン・ボンスン)が1985年に書いた全48巻の『朝鮮王朝500年』があるのも見えた。

 久邇邦昭さんの著書を韓国国内で出版した理由については「二度と戦争が起きてはならないということ、そして決して全ての日本人が戦争に賛成しているわけではないということを韓国の読者に知らせたかったから」と語った。

兪碩在(ユ・ソクチェ)記者

【Photo】中里成章・東大名誉教授「日本の無罪主張したパール判事は税法弁護士」

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  • ▲李東建プバン・テクロス会長

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