北朝鮮へのビラ散布は「表現の自由」 民間団体に自粛要請せず=韓国政府

【ソウル聯合ニュース】韓国政府は3日、国内の民間団体が北朝鮮への体制批判のビラを散布する活動に対し、自粛を要請しないというこれまでの立場を改めて示した。

 統一部の具炳杉(ク・ビョンサム)報道官はこの日の定例会見で、民間団体にビラ散布の自粛を要請するかを問われると「ビラ散布問題は、表現の自由の保障という憲法裁判所の決定の趣旨を考慮して対応している」と述べた。 

 北朝鮮がごみなどをぶら下げた風船を韓国に飛ばすことを暫定的に中断すると発表しながら、韓国側が北朝鮮へのビラの散布を再開すれば風船を再び飛ばすと警告したことに対し、政府の一貫した方針を強調したといえる。

 憲法裁判所は昨年9月、北朝鮮への体制批判のビラ散布を禁じる「南北関係発展法」は表現の自由を過度に制限しているとして違憲との判断を下した。

 ただ、政府は北朝鮮による武力挑発など緊急事態においては「警察官職務執行法」に基づきビラ散布を統制できるとの立場だ。

 具氏は、これに関連して警察と意思疎通を行っているかについては「必要な場合には現場の事情を考慮して関連法令に基づき適切な措置が取られるだろう」として、現場で判断する問題だとの見解を示した。

 脱北者団体「自由北韓運動連合」の朴相学(パク・サンハク)代表はこの日、聯合ニュースの取材に対し、ビラの散布計画に変わりはないとした上で、北朝鮮が風船を飛ばしたことに対して金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党総書記)が自ら謝罪すればビラ散布の中止を考慮すると述べた。

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