親会社の総合エンターテインメント企業HYBE(ハイブ)と子会社の芸能事務所ADOR(アドア)の経営権争いで、ミン・ヒジンADOR代表は代表の座を守ることには成功したが、取締役会での掌握力は失った。ADORは5月31日に臨時株主総会を開き、「ミン・ヒジン師団」と呼ばれる副代表と首席クリエイティブチーム長を社内取締役から解任した。そして、HYBE側のキム・ジュヨンCHRO(最高人事責任者)、イ・ジェサンCSO(最高戦略責任者)、イ・ギョンジュンCFO(最高財務責任者)を新たな社内取締役に選任した。ミン・ヒジン氏は引き続き代表と社内取締役を兼職したままとなっている。
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ミン・ヒジン代表が臨時株主総会で自身の解任案通過を阻むため、HYBEを相手取り申し立てた「議決権行使禁止仮処分申請」について、裁判所は5月30日にこれを認めた。そして、これに違反した場合に支払わなければならない200億ウォン(約23億円)の義務違反賠償金も定めた。だが、他の社内取締役陣に対しては依然として、ADOR株の80%を持つHYBEが大株主として議決権を行使することができる。ミン・ヒジン代表は判決直後、「HYBEがこれまでの取締役たちを解任するなら、裁判所の決定を尊重せず、正当な理由なしに解任するということになる」との見解文を発表した。
これにより、ADORの経営をめぐるミン・ヒジン代表とHYBEの「気まずい同居」とけん制は今後も続く見通しだ。これまでのADOR取締役会は事実上、ミン・ヒジン代表が掌握した形だった。社内取締役を兼任するミン・ヒジン代表、副代表、首席クリエイティブチーム長、そしてHYBE所属監査からなる4人体制だった。しかし、今回の臨時株主総会で議決権を持つ社内取締役陣が1(ミン・ヒジン代表)対3(HYBE側関係者)という構図の5人体制に入れ替わったのだ。人気ガールズグループNewJeans(ニュージーンズ)の専属契約変更など、ADORの主な経営案件は現在、取締役会の最終承認を経なければならない。
警察が現在進めているミン・ヒジン代表の背任容疑に対する捜査結果によっては、HYBE側が今後、ミン・ヒジン代表解任案に関する臨時株主総会の開催を再度要求することもできる。 ソウル竜山警察署は5月30日、ミン・ヒジンADOR代表を業務上背任で告発したHYBE側の関係者に対する第2回告発人調査を行った。
ユン・スジョン記者