サムスン電子でIPセンター長と副社長を務めていた安昇晧(アン・スンホ)氏が30日、社内から特許関連の資料を外部に持ち出した容疑で身柄を拘束された。
ソウル中央地裁のナム・チョンギュ令状専門部長判事は同日、安氏に対する令状実質審査を行い「証拠隠滅の恐れがある」として令状を出した。安氏の容疑は不正競争防止法違反(営業機密漏えいなど)だ。
安氏はサムスン電子で9年にわたり特許戦略を担当した。安氏は2010-19年にサムスン電子IPセンター長を務め、退職後は特許法人のシナジーIPを設立した。安氏は同社設立後、米デラウェア州の音響機器・イヤホンメーカーのステイトンテキヤLLCと共に21年、米テキサス州東部地区連邦地方裁判所に「サムスンはギャラクシーS20シリーズなどでテキヤの特許を無断で使用した」としてサムスンを訴える訴訟を起こした。
サムスン電子は2022年2月にシナジーIPとテキヤを反訴した。裁判で安氏が中国系の知識財産権専門企業とサムスン関連の情報を共有し、訴訟費用の支援も受けていた事実が明らかになったという。米国の裁判所は先日サムスン勝訴の判決を下した。
検察は安氏がサムスン電子IPセンター職員に要請し、社内機密の特許分析資料を受け取ったと見立てている。検察は今年1月に安氏の拘束令状を1度請求し棄却されたが、その後改めて請求し安氏の身柄を確保した。
キム・ミングク記者