北朝鮮軍が散布している対南ごみ風船は、直径2-3メートルの風船二つから成り、静電気で風船を破裂させる電子装置が付いている形態だと分かった。タイマー方式で、特定の時間になると風船が破裂してごみの入った袋を地面に落とす仕組みだという。昔と違って、重さ40-50キロの物まで運搬が可能だ。韓国軍は、28日の夜に対南ごみ風船の南下を捕捉した後、「マニュアル通りに対応せよ」と伝えたという。民間地域に対する照準射撃は対民被害の恐れがあるので撃墜するな、という意味だという。
韓国軍関係者は「対北ビラ、対北拡声器放送などを活用した比例的対応を検討している」と語った。ネットでは「韓国も大便を送るわけにはいかないので、北朝鮮で人気だという映画『破墓』を収めたUSBメモリーをばらまこう」「北朝鮮が南側に堆肥を送ったが、韓国も人道的観点から北朝鮮全域に『肥料風船』を飛ばそう」などの反応が出ている。
だが、北朝鮮の全方位的風船散布を「ハプニング」としてやり過ごしてはならない、という指摘も出ている。韓国軍の消息筋は「北朝鮮が対南風船を通して韓半島全域に対する投射力を示した」とし「北朝鮮が生物化学兵器を入れた風船を送ってきた場合、民間の被害も生じかねない」と語った。
合参は「北朝鮮は2016年から18年まで韓国側にビラを散布して自動車が破損するなどの被害があり、風船に汚物を入れるなどの低レベルな行動を取った」とし「不審な物体を見つけた場合は触らずに通報してほしい」とコメントした。
北の無差別対南ごみ風船散布に、対北団体も対抗を予告した。自由北朝鮮運動連合は、昨年10月以来7カ月ぶりとなる今月10日の午後11時ごろ、対北ビラ30万枚とトロット(韓国演歌)動画などを収めたUSBメモリー2000個を風船に積んで北へ送ったことがある。朴相学(パク・サンハク)代表は「風向きが北に変わる時期にまた対北ビラを飛ばして送る計画。今度は20万枚ほどを準備している」と語った。
ヤン・ジホ記者、議政府=キム・ヒョンス記者