地位とカネがあっても脱出…中国の資産家が日本に移住する4つの理由

 中国の富裕層や知識人の日本移民ブームを扱うニュースが相次いでいます。米ウォールストリートジャーナル(WSJ)は5月3日、東京湾を見下ろす江東区の高層マンションを購入し、移住した広東省深圳市出身の40代の中小企業経営者の例を詳しく取り上げました。産経新聞は5月11日、日本に居住する外国人の4人に1人が中国人で、長期居住する中国人が急増する傾向にあると報じました。

【グラフィック】日本に居住する外国人 2022年末と比較した増減

 昨年末現在、日本に3カ月以上居住している中国人は82万2000人で、2022年末(76万2000人)に比べ6万人増加しました。中国人長期滞在者は2019年に80万人を超え、その後は減少傾向にありましたが、2022年から再び急増しています。

 かつて日本に長期居住する中国人は不法滞在者が多数でしたが、今では東京都内の高級マンションを購入し、家族単位で移り住む人が多いとされます。ますます強まる権威主義体制、患者1人だけで団地全体を封鎖するゼロコロナ対策などに疲れた資産家と中産階級が脱出口として日本を選んでいるとみられます。

■円安を利用し割安な東京のマンション購入

 中国人はこれまで米国、カナダ、欧州連合(EU)諸国などを移民先に選んできました。億万長者と呼ばれる富豪の場合、シンガポールが目的地のトップでした。香港住民は主に移民が容易な英国に向かいます。しかし、ここ2~3年で日本に向かう中国人も大きく増えたといいます。

 中国の資産家と中産階級が日本に向かう一因は、記録的な円安です。人民元より円の下落速度が速く、東京のマンション価格は北京、上海、深圳など中国の大都市よりはるかに安くなりました。

 東京湾を見下ろす江東区豊洲の高層マンションは1平方メートル当たりの価格が120万円前後だということですが、北京、上海、深圳などの中国の大都市のマンションは同200万円程度です。東京が4割ほど安いわけです。

 中国は不動産バブルの崩壊で北京、上海などの大都市のマンション価格が下落しています。このため、さらに下がる前に中国の不動産を処分し、相対的に安い東京、大阪などのマンションに乗り換える中国人資産家が増えています。日本は住宅購入関連の規制が少なく、賃貸もしやすいので、アパートを複数購入して賃貸する中国人も少なくないということです。

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