中国の通販サイト「SHEIN」を含む海外直販サイトで販売されているかばんや靴など子供用革製品8種類をソウル市が調べたところ、七つの商品から有害物質が検出され、使用が不適切であることが分かった。
【グラフィック】中国ECサイト製品 ソウル市が実施した安全試験の結果
ソウル市が28日に明らかにした。それによるとSHEINで販売されている子供用の靴から韓国の安全基準の428倍に相当するフタル酸エステル(フタレート)添加剤が検出された。
フタル酸エステルはプラスチックを加工する際、固いプラスチックを柔らかくする化学薬品だ。環境ホルモンの一種とされ、不妊や早産などを誘発し、子供の成長も阻害するという。子供用の革バッグからは発がん物質のホルムアルデヒドが検出された。
ソウル市は先月8日から毎週AliExpress、TEMU、SHEINなど中国のネット通販サイトで販売されている子供用製品の安全性に対する検査結果を公表している。これまで7回にわたり93製品の検査が行われたが、うち40製品(43%)からフタル酸エステル、重金属、加湿器殺菌剤成分などの有害物質が検出された。
ソウル市の関係者は「海外直販サイトの製品は正式な輸入品とは違って安全検査などが行われないまま韓国に持ち込まれ、事実上安全対策の死角になっている」「市民の健康に脅威をもたらしているため、地方自治体として手をこまねいているわけにはいかず、毎週専門機関と共に検査結果を公表している」と説明した。ソウル市の呉世勲(オ・セフン)市長は「検査結果には私たちも驚いている」とした上で「検査結果を公表し、市民に合理的な判断をしてもらえるよう支援し、これら通販サイトにも結果を伝えるなど対応に当たっている」と説明した。
ソウル市は韓国国内にある3カ所の専門試験機関と業務提携を結ぶなど、検査をより強化している。来月からはタンブラーや食器などの検査結果も公表する予定だ。
韓国政府による海外直販サイトの安全対策は混乱が続いている。韓国政府は今月16日「国民の健康に影響を及ぼしかねない80製品については、KC(国家認証統合マーク)の認証が得られない場合は6月から海外からの直販を禁止する」と発表した。ところがその直後「消費者の選択権を過度に制限している」との批判を受け決定を取り下げた。
海外では中国直販サイト製品の安全性については主に消費者団体などが直接テストを行っているという。
崔鍾錫(チェ・ジョンソク)記者