韓国軍によると、北朝鮮が今回6カ月ぶりに新型エンジンを使用した背景には二つの意図が考えられるという。一つはより強い力を出せるエンジンを搭載することで、より重量のある弾頭をさらに遠くに飛ばせる性能を確保すること。もう一つは宇宙開発に使用される燃料を使うことにより、ICBM開発ではないと強弁することにあるという。上記の韓国軍合同参謀本部関係者は「北朝鮮が別のエンジンを使った場合、それにより(科学研究目的として)自分たちの正当性を多少強弁できるだろうが、これも弾頭さえ交換すればミサイルになるので安保理決議違反だ」と指摘した。
北朝鮮が6カ月ぶりに新型エンジンを使用したことについては、ロシアや中国などから1段ロケットをそのまま持ち込んだ可能性も指摘されている。上記の韓国軍関係者は「全ての可能性を検討している」と述べた。
北朝鮮は今回の発射失敗後、昨年の1回目と2回目の失敗の時とは違い異例にも今後の発射計画を明らかにしていない。合同参謀本部も再発射にはかなりの時間がかかるとみている。ただし今回の失敗を克服すれば、北朝鮮はより破壊力のあるICBMを発射する力を確保できるとの見方もある。別の韓国軍筋は「旧型の胴体と新型エンジンの不適合で爆発が起こったようだが、今後北朝鮮がロシアから技術を導入し胴体も新型にすれば、より強力なICBMを手にする可能性は高い」と懸念を示した。
北朝鮮による今回の軍事偵察衛星打ち上げ直後、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は一連の内容について国家安保室から報告を受けたという。国家安保室は同日、安保状況点検会議を招集したが、この会議では「成功か失敗かに関係なく、韓半島と東北アジア、国際社会の平和と安全保障にとって脅威となる挑発行為だ」など非難の声が相次いだという。韓国大統領室が伝えた。
ヤン・ジホ記者