シンガポールで文在寅前大統領随行中に脳出血で倒れた韓国外交部女性局長、休職満了で退職

 金元局長は倒れるわずか8カ月前の人事で女性として初めて「二国間外交」を担当する地域局長ポストに任命された。1993年にソウル大学外交学科を卒業し、翌年外交官試験に合格して、1994年に外交部に入った。2001年には1970年生まれの同い年で外交学科の同期、外交官試験にも同期合格した夫と結婚した。

 外交部では在タイ韓国大使館1等書記官、西南アジア太平洋課長、シドニー大学国際安保研究所客員研究員、在オーストラリア韓国大使館参事官、在南アフリカ韓国大使館審議官などを歴任。東南アジア、インド、オーストラリアなど35カ国を担当する南アジア・太平洋地域業務を熟知していた。その実力に基づき、金元局長は2018年11月、シンガポールとパプアニューギニアで相次いで開かれた韓・ASEAN首脳会議とASEANプラス3(韓中日)首脳会議、東アジアサミット(EAS)、APEC首脳会議などの実務準備を担当した。

 最近文前大統領の回顧録「辺境から中心へ」で言及され、論議を呼んだ金正淑(キム・ジョンスク)大統領夫人のインド訪問も担当局長として責任を負った。そんな金元局長が倒れると、一部同僚は「1週間の期間に重なった文大統領の歴訪と大統領夫人の出張を全て準備するため、過労だったのではないか」と残念がった。

 倒れた直後、意識不明の状態でシンガポールの病院に搬送された金元局長は、「脳圧が高く、危険な状態になる可能性がある」という診断され、治療を開始した。1カ月後、状態が安定し、救急医療専用機で韓国に移送することができた。しかし、脳機能を完全に回復することはできず、コミュニケーションが不可能な状態で療養保護士のケアを受けながら過ごしている。「疾病上の公務休職」は給与が全額支給されるため、これまでは給与で診療費用を賄ってきたが、退職後は家族の負担となる。

キム・ジンミョン記者

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