MLB:ジ軍・マトス、故障で離脱した李政厚を上回る活躍ぶり

 うれしいような悲しいような複雑な胸中。李政厚(イ・ジョンフ、25)=サンフランシスコ・ジャイアンツ=がいなくなった穴を埋めるために入ってきた新進気鋭の選手が大活躍している。その選手の名はルイス・マトス(22)だ。マトスは11日、外野手マイケル・コンフォルト(31)が右ハムストリングを痛めて欠場すると、12日にマイナーリーグ(3A)から上がってきた。マイナーリーグの成績は31試合で打率2割1分8厘・27安打・3本塁打。ところが、李政厚が肩の故障で欠場すると、センターとしての出場機会をつかんだ。その後、10試合で打率3割2分5厘・2本塁打・18打点・6得点・13安打、OPS(出塁率+長打率)8割9分1厘とし、故障前の李政厚の記録(37試合で打率2割6分2厘・2本塁打・10打点)を上回った。

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 18日のコロラド・ロッキーズ戦で二塁打2本を含む5打数3安打5打点を、19日もロッキーズを相手に5打数3安打6打点をたたき出した。米大リーグ公式サイト「MLBドットコム」は「ジャイアンツの選手が2試合連続で5打点以上を出したのは、ビル・テリー(1932年)、ドン・ミューラー(1951年)、ジャック・クラーク(1982年)以来、マトスが4人目だ」と紹介した。その活躍を足掛かりに、マトスはナショナルリーグ(NL)の週間MVPにも選ばれた。ジャイアンツも李政厚が故障した13日以降、9試合で6勝3敗し、勝率が上がった。マトスは23日、ピッツバーグ・パイレーツとのアウエーゲームでも9回に同点のきっかけとなる安打を含めて6打数2安打1打点をマーク、ジャイアンツの勝利(9-5)に貢献した。

 マトスはベネズエラで父親・叔父・いとこたちが野球選手という「野球一家」に生まれた。 2018年7月に国際契約を通じてジャイアンツに入団、契約金は72万5000ドル(現在のレートで約1億1400万円)だった。今年の年俸は56万8854ドルだ。昨シーズン、大リーグ・デビューを果たし、主に交替選手として出場、76試合で打率2割5分・14打点・24得点を記録している。今季は李政厚の入団で再びマイナーリーグに降格したが、李政厚のケガでつかんだチャンスをものにしそうな勢いだ。

 だが、ジャイアンツとしては、マトスがいくら活躍しても、6年・1億1300万ドルと言う契約をした李政厚に優先順位を与えるしかない。ジャイアンツのボブ・メルビン監督も「マトスが今、よくやってくれているのは事実だ。しかし、私たちは李政厚の空白を感じている。 彼はこのチームに情熱を注ぎ込んでくれた選手で、周囲のみんなを楽しませる力を持っている」と語った。

ヤン・スンス記者

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