文在寅前大統領の娘ダヘ氏、新たに青瓦台警護員との不可解な金銭取引発覚【独自】

金銭取引疑惑、青瓦台関係者で3人目

文在寅前大統領の娘ダヘ氏、新たに青瓦台警護員との不可解な金銭取引発覚【独自】

 文在寅(ムン・ジェイン)前大統領の元娘婿の「タイ・イースター・ジェット特別採用事件」を捜査している検察が、文前大統領の娘ダヘ氏による青瓦台(大統領府)警護処職員A氏との数千万ウォン(数百万円)の金銭取引について、捜査中であることが22日に分かった。文前大統領の妻・金正淑(キム・ジョンスク)夫人がよく利用しているデザイナーの娘で青瓦台事務職員だったヤン氏、兪松和(ユ・ソンファ)元青瓦台春秋館長に続き、また別の青瓦台職員との不可解な金銭取引が明らかになったものだ。法曹関係者の間では「大統領の娘が青瓦台職員らと金銭取引をしていたこと自体が不適切なことではないか」という声が上がっている。

【写真】文在寅大統領と娘ダヘ氏(2017年5月)

 本紙の取材を総合すると、全州地検刑事3部(李承学〈イ・スンハク〉部長検事)は、ダヘ氏が警護処職員A氏に、韓国ウォンやタイのバーツなどの現金数千万ウォンを複数回渡し、この金がA氏の口座に入出金された明細を確保したことが分かった。A氏は、ダヘ氏がタイに滞在していたと言われている2018年から20年まで、現地でダヘ氏一家を警護していたという。検察は今年2月にA氏を一度呼び出して事情聴取した。A氏の口座の金は主に韓国で引き出されたり、別の口座に移されたりしたという。

 同じころ、検察は朱英訓(チュ・ヨンフン)元大統領警護処長も召喚し、ダヘ氏とA氏の金銭取引などについて事情聴取したとのことだ。検察関係者は「A氏とダヘ氏の個人的な取引というよりは、警護処として行われた金銭取引である可能性も排除できないのではないか」と語った。

 検察はA氏がダヘ氏の要請を受けて自身の口座を貸した上で、入出金を手伝ったとみて、金銭の性格や使途の解明に全力を挙げている。この資金が、ダヘ氏の当時の夫がタイ・イースター・ジェットに就職して受け取った給与の一部なのか、それとも両親(文前大統領夫妻)から受け取った私的資金なのか、公的資金が部分的に入っていないかなどを確認中だ。なぜなら、ダヘ氏がA氏だけでなく別の青瓦台職員とも金銭取引をしていた状況が確認されているためだ。

 検察は青瓦台の兪松和元春秋館長がダヘ氏に現金を送ったことを確認し、今年2月に元館長を呼び出して事情聴取した。また同じころに元館長の自宅なども家宅捜索している。元館長は事情聴取で陳述を拒否したとのことだ。元館長は金正淑夫人を担当していた第2付属室出身で、金正淑夫人が買い物に行く際は紙袋に現金を入れ、代わりに支払いをする随行員だった。

 検察は、金正淑夫人がひいきにしているデザイナーの娘・ヤン氏との金銭取引も捜査している。ヤン氏も2017年に青瓦台に採用され、約5年間にわたり総務秘書官室の事務職員として金正淑夫人の儀典を担当した。検察は、フランス国籍のヤン氏が数回の召喚に応じなかったため、出国停止措置を下した。ヤン氏側はダヘ氏との金銭取引について「親しい間柄によくある送金に過ぎない」と語った。

 検事長出身のある弁護士は「間に人を挟んで金銭取引をするのは普通、金銭の出どころを隠すなど、いわゆる『資金洗浄(マネーロンダリング)』をするときに使う方法だ。両親が娘に渡した個人的なお金だとしても、青瓦台職員を通じてやりとりするのは余計な疑惑を招く可能性があるだろう」と語った。

パン・グクリョル記者

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