最近プロ野球では今年導入した「ロボット審判」、自動投球判読システム(ABS、Automatic Ball-Strike System)を巡り、選手たちの不満が爆発した。ハンファの投手、柳賢振(リュ・ヒョンジン)やKTの打者、黄載均(ファン・ジェギュン)が代表的だ。プロ野球選手としての経歴だけでも18年、17年と、それぞれ業界が誇る大先輩だ。同じように不平をもらすが、その内容は正反対だ。柳賢振はストライクをボールに、黄載均はボールをストライクに取ると抗議している。
柳賢振は渡米する前の2012年、「人間」が審判を務めていた頃、投球中のストライクとボールが占める割合はそれぞれ64.5%、35.5%だった。今シーズンは68.3%、31.7%と良くなっている。ロボット審判がストライクの判定をより多く出しているわけだ。韓国プロ野球の投手の全投球数に占めるストライクとボールの割合も、今シーズンは62.9%、37.1%だ。ここ5年間で61.8-63.6%、36.7-38.2%と、さほど目立った動きは見られない。変わったことがあるとすれば、柳賢振が今シーズン2勝4敗、防御率5.65と、デビュー以来最悪の成績だという点だ。黄載均も、これまでは三振1個当たりに占める四球は平均0.4-0.6個だったが、今シーズンは0.5個だ。判定により不利な結果となっているとは言い難い。ただ、黄載均も打率2割5分5厘、本塁打ゼロ、10打点と、2010年以降で最も低調な滑り出しとなっている。こうした数値だけでは全ての状況を説明することはできないが、何かがうまくいっていないため、外部のせいにしている感が否めない。精神的に軽くなるかもしれないが、状況は決して好転しない。斗山のイ・スンヨプ監督は「嫌な思いになったり、否定的に捉えたりすると自分が損するだけ。早めに認めて利用できる部分は利用しなければならない」と促した。これこそ正しい意見でないかと思う。
イ・ウィジェ記者