5ナノメートル以下の超微細工程を持つ企業は、ファウンドリーを保有するサムスン電子とTSMCの2社だけだ。SKハイニックスとしては、HBMのライバルであるサムスン電子とはベースダイ開発ができないため、TSMCが唯一の選択肢となる。第6世代以降、HBMでベースダイの役割が重要になり、勢力図にも変化が生じたのだ。SKハイニックスとサムスン電子が二分するHBM生産にTSMCが参入したからだ。 その上、次世代HBMでパッケージングの役割がさらに強まり、AI半導体市場でTSMCの立場は確固たるものとなる見通しだ。SKハイニックスは「TSMCとは相互協力、協業の関係であって、どちらか一方が一方的に依存する関係ではない」と説明した。
■HBM主導権争いの幕開け
SKハイニックスとTSMCの次世代HBMの姿が少しずつ明らかになり、サムスン電子の対応も注目される。サムスン電子はメモリー、ファウンドリー、パッケージングを全て網羅する強みを掲げ、次世代HBMの主導権を握る戦略を打ち出している。今年3月、次世代HBMを開発するタスクフォース(TF)を設け、メモリー半導体、ファウンドリー、後工程などサムスン電子が保有する半導体各分野の人材を集約した。次世代HBMのベースダイもサムスンは自社のファウンドリーで生産できる。コストと効率の両面で優位に立てるターンキー戦略を推進しているのだ。
グーグル、メタ、マイクロソフトのようなAIビッグテックとエヌビディアのようなAI半導体企業が開発ペースを速め、HBM競争もますます激化している。SKハイニックスが現在エヌビディアに供給するHBM製品は第5世代だが、既に次世代の第7世代HBM4E開発計画まで登場するほどだ。
SKハイニックスのキム・グィウクHBM先端技術チーム長は13日、「国際メモリーワークショップ」で「HBM1世代が開発された後、2年単位で世代が入れ替わりながら発展してきたが、HBM3Eからは1年単位で世代が更新されている」と指摘した。HBM4E(第7世代)は再来年の2026年にも技術開発が完了するという意味だ。
卞熙媛(ピョン・ヒウォン)記者