【東京、ソウル聯合ニュース】日本の総務省が通信アプリLINE(ライン)運営会社のLINEヤフーに行政指導をしたことを受け、同社筆頭株主である中間持ち株会社に折半出資している韓国インターネットサービス大手のNAVER(ネイバー)と日本のソフトバンクが資本構成に関する交渉を進めている。韓国国内では、日本以外の国・地域で展開されるLINE事業をLINEヤフーから切り離してネイバーが手掛けるという案も出ているが、LINEヤフーはこれに否定的な見解のようだ。
LINE関連の韓国法人には計2500人程度が勤務している。このうちLINEプラスについて、LINEヤフー側は22日に聯合ニュースの取材に「ネイバーとLINEプラスの間には直接的な資本関係・人的関係がない」と指摘した上で、LINEプラスは今後もLINEヤフーの傘下企業として台湾やタイなど海外事業を総括していくと述べた。この先の交渉で事業切り離しがあり得るかとの問いにも、現時点でそうした予定はないと答えた。
LINEヤフーはすでにネイバーへの業務委託の終了を発表している。LINEプラスに関しては、LINEヤフーの子会社であり、業務委託は続ける方針だとした。
昨年11月、ネイバーのクラウドがサイバー攻撃を受け、一部のシステムを共有しているLINEヤフーで利用者の情報が流出した。これを受け日本総務省は今年3月と4月の2回、LINEヤフーに行政指導を行った。業務委託するネイバーに依存して管理監督が不適切だったと判断し、資本関係の見直しなども求めた。
LINEヤフーは、LINEプラスの場合はグループの完全子会社のため、管理監督に問題はないとの認識を示したといえる。
LINEプラスは2013年、LINEの海外市場開拓を目的に韓国に設立された会社で、現在は台湾、タイ、インドネシアなどでサービスを展開している。同社の株式はLINEヤフー子会社である日本のZ中間グローバルが保有する。
韓国では、日本政府がLINEヤフーに資本関係の見直しを求めたことに対し、ネイバーが生み出し、日本で国民的アプリに成長したLINEを奪おうとするものとの意見も上がっている。
韓国の証券業界からは、ネイバーがLINEの日本事業を手放すとしても、東南アジアなどでのLINE事業はネイバーとして展開することも可能という見方が一部で出ていた。だがLINEヤフーはこれに否定的な姿勢とみられる。
一方、ネイバーの関係者は、ソフトバンクとの交渉でLINEプラスの事業の扱いが議論される可能性について「あらゆる可能性を開いて協議中という点に変わりがない」と聯合ニュースに語った。