■「元検察庁高官」動員して世論戦略
キム・ホジュンの弁護人であり、検察総長(日本の検事総長)職務代行を務めた趙南寛(チョ・ナムグァン)弁護士は「20日午後、キム・ホジュン氏が自ら出頭して事情聴取を受け、国民に見解を表明する予定だったが、警察側の事情で事情聴取が延期された」と述べた。だが、警察やその周辺からは「何とか拘束を免れようとする浅はかな世論戦略だ」という反応が出ている。警察関係者は「今までの虚偽の供述や証拠隠滅でも十分に悪質なのに、今になって事情聴取に誠実に臨むふりをしている」と言った。だが、キム・ホジュンはマネージャーが自身の服を着て「身代わり出頭」した過程を認知していた状況が次々と明らかになっている。
■ファン集団に依存するうちに国民の常識からかけ離れる
キム・ホジュンは真実を打ち明け、許しを請うことができる時間が十日間もあったが、ウソ・ゴネ・同情集め・元検察庁高官の弁護人選任といった「司法リスク対応」の論理で一貫してきたため、国民の大多数の怒りを買った。ファンダムに頼って犯行の責任を回避しようとしたところ、かえって一般国民の常識と道徳基準からかけ離れてしまったということだ。成均館大学社会科学学部社会学科の具廷禹(ク・ジョンウ)教授は「『とにかく団結しなければ生き残れない』というような集団主義世論を一部の強硬なファンが主導する一方で、正常な大多数のファンはかえって離れていっている」と語った。大衆文化評論家のチョン・ドクヒョン氏は「このようなやり方でキム・ホジュンが逮捕・拘束され、重い刑を言い渡されれば、ファンが受ける衝撃はいっそう大きいだろう」と話す。仁川大学社会科学学部政治外交学科のイ・ジュンハン教授は「ファンたちは政治家や芸能人を偶像に祭り上げ、熱狂するため、『偶像』になった本人たちはあらゆる非常識な行動をしていても気づかない。その代価は韓国社会全体が受けることになる」と言った。
■キム・ホジュン側の今後の弁論戦略は?
ソウル警察庁の趙志浩(チョ・ジホ)庁長はこの日の記者懇談会で「事故前に飲酒していたという疑いは強いが、具体的な量は確定していない状況だ。捜査協力の可否と証拠隠滅の恐れが(拘束令状申請に関して)重要な判断要素になるだろう」と語った。警察は、キム・ホジュンが飲んだ酒の種類や体重などを計算し、時間の経過によって血中アルコール濃度を類推する「ウィドマーク(Widmark)法」を使う方針だ。しかし、この方法は法廷で飲酒の証拠として認められないケースも少なくない。キム・ホジュン側も、警察が事故直後に飲酒の直接的な証拠を確保できていないことを知っている。キム・ホジュンが飲酒の事実を認めたのも「世論戦略」のために過ぎず、法廷では「飲んだが血中アルコール濃度0.03%に達するほどではなかった」などと飲酒運転疑惑を巧妙にすり抜ける可能性があるということだ。
コ・ユチャン記者、ク・アモ記者、チャン・ユン記者