韓国野党・共に民主党は第22代国会前半の国会議長候補にソウル蘆原甲選出で当選5回の禹元植(ウ・ウォンシク)議員を選出した。熱心な党員らのグループから全面的な支持を受け、李在明(イ・ジェミョン)代表の意中を意味する「明心」が自らにあると公言してきた秋美愛(チュ・ミエ)当選者(京畿道河南甲選出、当選6回)は落選した。この結果について政界では「李在明一極体制への懸念が表面化した」との見方も語られている。
共に民主党は16日に国会議員会館で行った当選者総会で国会議長候補を選出する投票を行い、禹元植議員が過半数を獲得し国会議長候補に選出された。当選者171人のうち169人が投票に参加した。共に民主党は2人の得票数は公表しなかったが、禹議員は89票、秋当選者は80票だったと伝えられている。禹議員は故・金槿泰(キム・グンテ)議員系のグループ「経済民主化と平和統一に向けた国民連帯」の系列で、共に民主党では院内代表や乙支路委員会の委員長などを歴任した。
国会議長候補を選ぶ投票では趙正湜(チョ・ジョンシク)議員(当選6回)が秋当選者支持を宣言して立候補を取り下げ、また別の親明系候補の鄭成湖(チョン・ソンホ)議員(当選5回)も立候補を取り下げたため、「秋美愛推戴」で事実上決着すると思われていた。ところが「強い国会議長」を掲げた秋当選者への反発に加え、「あまりに一方(明心)に偏るのはおかしい」との懸念が重なり、今回の番狂わせにつながったとみられる。
ただし禹議員も「脱中立」を掲げた秋当選者に比べれば親明の色は薄いが、それでも強硬派に分類されている。禹議員は当選直後「共に民主党が提示する方向と法案を必ず国会で実現させる」「国会議長の役割は司会者ではない」と述べた。禹議員は「意見が対立する事案については協議を重視するが、民心に反する退歩や遅滞が生じた場合は国会法に従う」との考えも示し、またSNS(交流サイト)では「李在明代表を中心に一つとなった共に民主党という事実に決して変化はない」と訴えている。李在明代表も国会議長選出投票後、禹議員に対して直接「機械的な中立を守るのではなく、民意と民心を中心として国会を運営してくれると信じる」と述べた。
国会議長は国会で最も多くの議席を持つ党から選出されるのが慣例だ。第1党の共に民主党が禹議員を推薦し、来月5日に予定されている第22代国会の最初の本会議で採決が行われ正式に就任する。共に民主党が出す国会副議長候補には李鶴永(イ·ハクヨン)議員(京畿道軍浦選出、当選4回)が選出された。
キム・テジュン記者