中国のある飲食店経営者が麻薬類のケシを栽培し、香辛料として料理に使ったとして逮捕・起訴された。香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)が12日に報道した。
報道によると、中国南西部・貴州省台江県警察がドローンで一帯をパトロールした際、住居用建物の屋上でケシの花を発見したという。
現場を調べた結果、中国人の女A被告がケシの花約900本を栽培していたことが明らかになった。A被告は亡くなった父親からケシの種をもらったという。そして、自身が経営する飲食店の火鍋の香辛料として使うためにケシを栽培したと言った。
このため、裁判所は今年4月、違法麻薬植物栽培でA被告に懲役6月(執行猶予1年)、罰金3000元(約6500円)の有罪判決を言い渡した。
ケシには体内で強い生理的反応を起こすモルヒネ・パパベリン・コデイン・ナルコチンなどのアルカロイド成分が多く含まれている。このため、ケシの汁を抽出して固体にし、精製すればアヘンやヘロインなど禁止薬物を作ることができるため、栽培が制限されている。
中国で飲食店の香辛料としてケシを使うことは以前もあった。2016年には火鍋の有名チェーン店を含む全国35店でケシを香辛料として使っていたことが調査で分かっている。
この他にも、ある70代の男が昨年、畑にケシの花約500本を植えたとして懲役2月(執行猶予2月)の有罪判決を言い渡されたこともある。この男は「『ただの美しい花』として育てていただけで、ケシで薬物を作る意図はなかった」と主張した。
中国刑法によると、500-3000本のケシを植えた場合、最も重くて5年の懲役刑に処せられることになる。3000本以上のケシを植えた場合、最低でも5年の懲役刑に処せられる可能性があるとのことだ。
チョン・アイム記者