韓国国税庁が高額滞納者641人摘発 奇抜な方法で現金を隠匿

最近、強制執行に着手

韓国国税庁が高額滞納者641人摘発 奇抜な方法で現金を隠匿

 韓国国税庁が14日、知能的手法で税務当局の監視網を逃れてきた高額滞納者641人に対する強制執行に最近着手したことを明らかにした。このうち数十件は「相続放棄」を偽装したケースだ。例えば、2億ウォン(現在のレートで約2300万円。以下同じ)台の譲渡所得税を滞納したある40代女性は、亡くなった母親がソウル市内に数十億ウォン(10億ウォン=約1億1000万円)台のマンションを残したが、妹が一人でこれを相続するようにした。自分の相続分を税務当局に差し押さえられないようにするためだ。代わりに妹は、女性の夫に、姉の相続分に相当する現金を用意してやった。財産を隠した滞納者などは、3年以下の懲役または3000万ウォン(約340万円)以下の罰金などの刑事罰を受けることもあり得る。

【写真】「わたしは認めることができません」と言って逃げる女性

 このところ高額滞納者らは登記簿謄本などで確認が難しい美術品・金の延べ棒などで財産隠しをする傾向がある、と韓国国税庁は伝えた。学校売却の代価として数百億ウォン(100億ウォン=約11億5000万円)を受け取った元学校理事長は、総合所得税数十億ウォンを納付せず、国税庁にしっぽをつかまれた。娘名義で借りた家に隠れ住んでいた元理事長宅からは、ブランドバッグや美術品、貴金属など3億ウォン(約3400万円)相当の財産が発見された。

 美術品を委託業者に預けて収益金を受け取る「美術品委託レンタル」、歌謡などの著作権を買って音源収益金を受け取る「音源収益証券」なども、財産を隠す「新手の手法」として浮上している-と韓国国税庁は伝えた。

 また韓国国税庁は、差し押さえた暗号資産を直接売却して滞納額を国庫に回収するケースが初めて登場した、とも明かした。

チョン・ソクウ記者

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