【ソウル聯合ニュース】日本の総務省が通信アプリLINE(ライン)運営会社のLINEヤフーに対し大株主の韓国インターネットサービス大手・NAVER(ネイバー)との資本関係の見直しなどを求める行政指導をしたことに関し、韓国で国民的な関心が高まっている。検索サイトでは「LINE」の検索数が4日間で15倍に急増した。アジアで多くのユーザーがいるLINEのアプリを新たにダウンロードする人が韓国国内で増え、「LINEを守る運動」が広がるのではないかとの見方も出ている。
ネイバーデータラボの検索語トレンドによると、9日の「LINE」の「検索量指数」は47.1で、5日(3.12)の15.1倍に上った。検索量指数は検索ワードの検索回数を、直近2年間の最多検索数を100として算出したもの。韓国の国民的通信アプリ「カカオトーク」の大規模通信障害が起きた翌日の2022年10月16日(100)以来の高水準を記録した。
LINEヤフーに出資する中間持ち株会社はネイバーとソフトバンクが折半出資しているが、ネイバーの利用者情報流出を受けて総務省が資本関係見直しを求めてきた。ネイバーは今月10日、中間持ち株会社の株式を売却する可能性に初めて言及し、ソフトバンクとの協議を進める考えを示した。
この問題を巡って韓国のインターネットのコミュニティーサイトでは「日本のLINE強奪」「(初代韓国統監の)伊藤博文の子孫が主導」などと非難する投稿があふれている。
LINEへの関心の高まりとともに、LINEのアプリをダウンロードするユーザーも増えている。
データ解析などを手がける韓国のIGAワークスによると、4月第5週(4月29日~5月5日)のLINEアプリの新規ダウンロード数は5万8346件で前週比3.5%増加。昨年8月第1週(5万9728件)以来の高水準となった。
ネイバーが育てた世界的通信アプリであるLINEを日本に奪われるかもしれないとの懸念が高まり、ユーザーらがLINEを守るために乗り出すとの観測も出ている。
IT業界関係者はLINEについて「国内IT企業がグローバル市場進出に挑戦して成功したほぼ唯一のプラットフォーム」と指摘。国内市場が米国や中国のアプリの攻勢に手をこまねいている中、「LINEなど善戦する国産アプリを育てようという動きが出てくる可能性がある」との見方を示した。