2022年3月に投開票が行われた大邱市中区と南区の補欠選挙で問題になった「かご投票」で、大法院(最高裁判所に相当)は「選挙規定に違反していない」との判断を下した。
韓国大法院3部(裁判長オム・サンピル大法官)は9日、2022年3月に投開票が行われた大邱市中区と南区の補欠選挙無効を求めて都泰佑(ト・テウ)弁護士らが現地の選挙管理委員会を訴えた裁判で、原告の訴えを棄却した。
この選挙は大庄洞不正疑惑に関与した与党・国民の力の郭尚道(クァク・サンド)元議員の辞任を受けて行われ、投開票は第20代大統領選挙と同時に行われた。その際コロナに感染し隔離された有権者の投票用紙はかご、段ボール、ビニール袋などで運ばれて投票箱に入れられたため、民主主義における選挙の基本原則とされる直接投票・秘密投票が守られなかったとの批判が相次いだ。当時中央選挙管理委員長だった盧貞姫(ノ・ジョンヒ)大法官は「責任を痛感する」として選挙管理委員長を辞任した。盧大法官は3部所属だが今回の判決には関与しなかった。
補欠選挙に出馬したが落選した都弁護士は「秘密投票の原則などに違反した」として訴えを起こしたが、大法院はこの訴えを認めなかった。選挙無効訴訟は大法院だけの単審制だ。
大法院は「隔離者による期日前投票では関連する規定に従い各政党が推薦する委員あるいは投票参観人に立ち会いの機会が与えられるが、これら参観人などから隔離者の投票用紙の記載内容が公開されたなどの異議申し立てはなかった」「秘密選挙の原則など選挙に関する規定に違反したと言えるだけの徴候は見られない」と指摘した。さらに「運搬用の封筒に入った投票用紙を集めて期日前投票用の投票箱に入れたとしても、これだけで選挙違反とは言い難い」とも判断した。
また野党・共に民主党の李在明(イ・ジェミョン)代表が国会議員に当選した2022年6月の仁川桂陽乙選挙区での補欠選挙でも、ある市民団体が「投票用紙が偽造された」として選挙無効を求めて訴えを起こしたが、大法院はこの訴えも棄却した。
パン・グクリョル記者