「若い人の血を老人に注入すると、健康を増進させ、老化を防ぐことができる」という仮説が長い間唱えられてきたが、果たしてこれは正しいのだろうか。中国の研究陣が最近、マウスを使った実験で効果を確認したことを明らかにした。
【写真】若返りのために血液交換を行った米ブライアン・ジョンソン氏の2018年・23年・24年の顔写真
中国・南京大生命工学科の研究陣は、およそ7年間にわたって数百匹のマウスに若いマウスの血液から抽出した「抗老化物質」を注入した結果、寿命が延びて老化スピードが鈍化したと先月発表した。今回の研究結果は、国際学術誌「ネイチャー・エイジング(Nature Aging)」最新号に掲載された。
研究陣は、生後20カ月になるオスのマウスの血液から抽出した抗老化物質を実験用マウスに毎週注入し、変化を観察した。実験用マウスの平均寿命は840日だが、今回の実験に使われたマウスは平均1031日生き続け、寿命が22.7%伸びるという結果になった。最も長生きしたマウスは1266日生きたが、これは人間で言えば120-130歳まで生きたことになる。研究陣はまた、実験対象のマウスの筋肉、心臓、骨などの部位で老化スピードが遅くなることが確認されたと明らかにした。
若い血を注入する「血液交換」が「不老長寿」の方法になり得るという推測は長い間言われ続けてきた。これに関する実験も多数行われたが、これまでの実験はほとんどが、若い血液の水溶性タンパク質因子の潜在的なアンチエイジング特性に焦点を合わせたもので、正確な作用原理が把握されていなかったというのが研究陣の主張だ。研究を率いたチャン・チョンウィ博士は、香港紙サウス・チャイナ・モーニング・ポストに対し「7年間、数百匹のマウスを対象にデータを蓄積し、「若い血液」の効果について明らかにした」「今回の研究は始まりにすぎず、今後明らかにすべきことは多い」と述べた。
実際に血液交換を行ったケースもある。若返りに執着していることで有名な米国の富豪、ブライアン・ジョンソン氏は昨年5月、自身の血を父親に輸血したところ、父親の身体年齢が25歳若返ったと主張した。ジョンソン氏は17歳の息子の血を自身に、自身の血を父親に輸血するという親子3代での血液交換実験を実施。ジョンソン氏は当時「息子の血を輸血した私はあまり変化がなかったが、父親は老化のスピードが遅れ、その状態が6カ月間続いた」と明らかにした。
キム・ヒョイン記者