【TV朝鮮】(アンカー)
中国が先日200人以上の脱北民を北朝鮮に強制送還したとのニュースを先週単独でお伝えしましたが、その後も強制送還が続いていることが分かりました。東南アジアやモンゴルと近い国境地域では約60人以上が逮捕され、強制送還に向けた手続きが進められるとみられます。イ・テヒョン記者がお伝えします。
(記者リポート)
昨年5月に中国丹東で撮影された中朝国境地帯の映像です。
二重に張り巡らされた鉄条網のため北朝鮮の新義州側はよく見えません。
国境警備隊を逃れて鴨緑江を渡り、二重の鉄条網を乗り越えて脱北を目指したとしても、中国の顔認証監視カメラに写れば逃げるのは難しくなります。
脱北民の救出活動を続けるJM宣教会は今年3月、中国南部の南寧で37人、4月にはベトナムとの国境で7人、北部の内モンゴル自治区で16人の少なくとも60人以上の脱北者が中国公安(警察)に逮捕されたと伝えました。
李永煥(イ・ヨンファン)/転換期正義ワーキンググループ代表
「3-4月には集団で逮捕されるケースが多かったので、中国は逮捕を組織的に行っているのではないか…10人中8人はつかまる」
中朝国境地帯の拘留施設に移送された上で強制送還に向けた手続きが行われますが、最近は北朝鮮も処罰と監視を強化しており、内陸地域に隔離される可能性も高いようです。
パク・チュングォン/韓国与党・国民の力比例代表当選人(元脱北民)
「二度と出てこられないような地域に隔離されます。教化所と呼ばれていますが、強制労働をさせられ死ぬまでそこにいます」
コロナ渦が終わり中朝国境封鎖は緩和されましたが、中国による取り締まり強化の影響で今年1-3月には脱北民が32%減少しました。
中朝双方が取り締まり次元で強制送還に合意したとの見方も出る中、これについては「脱北を阻止するための警告指示文として北朝鮮は積極的に活用している」とも引き続き伝えられています。TV朝鮮のイ・テヒョンがお伝えしました。
(2024年5月7日放送 TV朝鮮「ニュース9」より)